医学講座
開業への思い⑦
JA帯広厚生病院に勤務しながら…
武藤靖夫先生に美容外科を教えていただきました。
教えていただくと言っても…
武藤先生の手術を…
見せていただくのがメインです。
大部分の患者さんは…
武藤先生の長年のお客様です。
■ ■
たまに…
息子さんですか…?
…と笑顔で聞かれる、
上得意のお客様もいらっしゃいました。
私:いいえ、息子ではありません。
ご子息は東京にいらっしゃいます。
その頃、ご子息の武藤英生先生は…
母校で脳神経外科医をなさっていらっしゃいました。
■ ■
美容外科の手術は局所麻酔です。
突然、若い息子のような先生が来て…
大先生の代わりに手術という訳にはいきません。
私が担当させていただいたのは…
わきが手術や…
コラーゲンの注射でした。
二重埋没法の手術などは…
武藤靖夫先生ご指名の患者さんです。
私は横や後ろから…
ひたすら先生の手を見ていました。
■ ■
私はたくさんのことを教えていただきました。
北大形成外科の先輩と一番違ったのは…
患者さんへの接し方でした。
『患者さんではなく、お客様です』
忘れられない言葉です。
先生が怒った顔を見たことがありませんでした。
怒りんぼの私には…
やっぱり向いていないかなぁ~
…とも思いました。
■ ■
私は平成10年4月から8月まで、
札幌中央形成外科副院長として勤務しました。
帯広から通った期間を含めると…
約1年半の間…
武藤靖夫先生から美容外科を教えていただきました。
平成10年9月から、
私は札幌医大から形成外科講師として、
再び形成外科医になりました。
私の開業への思いはここでまた途絶えました。
札幌中央形成外科は、ご子息の英生先生が
後継者となられました。
武藤靖夫先生