院長の休日
がんばれシャープ
平成24年8月29日、朝日新聞朝刊の記事です。
かなり長いですが、
シャープに関する記事を引用しました。
鴻海(ホンハイ)との出資交渉大詰め_シャープ株急落、銀行様子見
「世界の亀山モデル」ともてはやされてから、わずか数年で急坂を転げるように経営危機に陥ったシャープ。電子機器の受託生産で世界最大手の台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業との資本提携で起死回生を狙うが、台湾ではその動きを「チンギス・ハーン」に例える声もある。液晶の拡大戦略を誤ったシャープにとって、鴻海は救世主か。
今週来日した台湾からの産業視察団に、鴻海精密工業の郭台銘会長が名を連ねている。8月28日の視察には姿を見せなかったが、前日の27日には郭会長も視察に参加、東京都内のホテルで会見に臨んだ。「シャープへの出資額は重要でない。大事なのは両者がウィンウィンの関係を築き、世界に商品を出すことだ」と、中国語で語った。経営が悪化したシャープの後ろ盾との自負がにじんだ。
来日の最大の目的は、大詰めを迎えたシャープとの出資交渉をまとめること。鴻海が約670億円を支払い、シャープの筆頭株主になる契約を3月に結んだが、1株550円の条件が今の200円前後に下落した株価からみて高すぎるとして見直しているのだ。
鴻海が出資金額を維持すれば、シャープへの出資比率が当初の9.9%から2割以上に高まるが、これを望まないシャープは鴻海の出資比率を当初計画のままに抑えたい考え。しかし、それではシャープが得る資金が3分の1程度に減ってしまう。そこでシャープは鴻海に海外工場を売却することなどを模索している。
鴻海とともにシャープの命運を握る存在が銀行だ。
これまでシャープは経営の健全性から、銀行に頼らずコマーシャルペーパーの発行などで主に市場から資金を直接調達していた。だが2012年3月期決算で純損益で過去最悪の3760億円の赤字を計上すると事態は一変。株価下落が加速し一時160円台まで下がった。今月2日には5千人の人員削減などリストラ策を発表し、28日にはうち2千人の希望退職の募集を発表したが、株価や投資格付けは低迷したままだ。
市場の信用を失ったシャープにとって、当面の資金繰りや来年秋の2千億円の社債の償還は銀行の融資頼みに変わった。みずほコーポレートなどの主力取引銀行からは「鴻海の出資を待たないと、資金繰りの話はできない」(銀行関係者)と言われる始末だ。
今回の交渉では、不採算に陥ったシャープの中国やメキシコのテレビ生産工場を鴻海に買い取ってもらう検討も進められる。
郭会長が堺工場を見学する8月30日前後に予定されている協議が、シャープの再建のかぎを握っている。
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オンリーワンの技術流出_液晶への一本足打法が裏目
シャープは何を間違ったのか。「世界の亀山モデル」として名をはせた液晶テレビ「アクオス」の好調で、2006年度には売上高が3兆円を超すなど、業績は飛ぶ鳥を落とす勢いだった。しかし、その主力事業に集中しすぎたことが、結果的に数年でシャープの屋台骨を揺るがしている。
液晶やテレビの技術は、製造装置メーカーなどを通じて新興国に流出。韓国や中国などとの激しい競争にさらされ、1インチ1万円だったテレビの価格が数千円に下がる事態に業界全体が襲われた。
シャープは中核の堺工場が米リーマン・ショック後の2009年秋に稼働し始め、当初から稼働率が課題だったが、昨年末から製造した液晶パネルの販売も急に落ち込み、在庫が数年前の何倍にも膨らんだ。「デジタル分野は生産規模のパワーゲームで、技術だけでは勝てなくなった」と奥田隆司社長は悔しさを隠さない。
現在、プラズマテレビや液晶テレビの画面になる「パネル」を作るのは国内ではシャープとパナソニックの2社だけ。そのパナソニックも昨年10月、兵庫県尼崎市の最新鋭プラズマパネル工場の休止を発表したばかりだ。2008年にパイオニアがプラズマパネルの生産をやめた際と、2010年の日立製作所の液晶パネル生産撤退では、パナソニックが人材や子会社の株式を引き受けたが、シャープ救済で名が挙がることはなかった。
欧州・中国の景気減速と円高のダブルパンチに苦しむ日本の電機各社はこぞってテレビ事業を縮小し、配電網に太陽光発電や蓄電池を組み合わせた「スマートグリッド」などに注力している。「一本足打法」と揶揄(やゆ)されるほど液晶に投資を集中させたシャープに向ける余裕は残っていない。(清井聡、上栗崇)
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郭会長「現代のチンギスハーン」_一代で売上高9兆円に
「現代のチンギス・ハーン」。台湾メディアは鴻海グループを率いる郭台銘氏(61)をこう呼ぶ。事業の急速な拡大ぶりを、13世紀のモンゴル帝国になぞらえたものだ。グループ全体の売上高は昨年、3兆4500億台湾ドル(約9兆円)。鴻海精密工業は中国では「富士康」(フォックスコン)の名前を使う。
郭氏は中国から移り住んだ警察官の息子で、エリートの家柄ではない。専門学校を卒業後、いくつかの工場で働き、1974年、母親が出した資金で小さな会社を設立。白黒テレビのチャンネルつまみの生産から始め、パソコン用コネクターで経営が軌道に乗った。
生産拠点を低コストの中国で展開、台湾内外のメーカーを買収して技術を吸収し、日本を含む大企業ブランドの携帯電話、ゲーム機などの製造を請け負った。米アップルのiPhone(アイフォーン)を生産していることでも知られる。
台湾では常に発言が注目される。今年1月の総統選で、同じ年に生まれた馬英九(マー・インチウ)総統の再選支持をいち早く明言し、経済界の雰囲気作りに一役買った。
昨年6月の株主総会では配当を上げるよう求める株主の発言を遮った。「5株程度しか買わないあんたのような株主は要らない。議事を妨害するな。うちの株は売り払えばいい」。ときに傲慢(ごうまん)と思える発言も、一代で富を築いた実績が尊ばれ、恐れられているため非難を浴びることはない。
8月初め、台湾のテレビ番組に出演し、シャープとの関係をこう語った。「日本の科学技術は台湾より進んでいるとずっと言われてきた。今回初めて対等に日本の有名企業と向き合い、共存共栄を図る話し合いをしている」
ただシャープ株価急落のニュースが台湾でも連日伝えられ、協力がうまくいくのか、やや不安げにみられているのも事実だ。チンギス・ハーンのたとえにはモンゴルが日本征服に失敗した意味も含まれている。(台北=村上太輝夫)
(以上、朝日新聞より引用)
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私はシャープのファンです。
札幌美容形成外科で使っているコピー機もシャープですし、
本間家のTVもシャープです。
世界のシャープが…
台湾の会社に…?
…と不思議に思っていました。
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聞いたこともない、
鴻海(ホンハイ)精密工業の社長さん。
郭台銘さん(61)は、
現代のチンギスハーンだそうです。
iPhoneを作っている会社と聞いて、
ようやく納得できました。
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台湾の会社なのに…
生産拠点は低コストの中国
なるほど納得です。
台湾と中国は仲が悪かったのでは…?
…と思っても…
実際に成功しているのですから、
すごいです。
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私が知っているシャープの社員さんは、
とても親切で素敵な方たちです。
大規模なリストラで…
どんな思いでいらっしゃるかと心配です。
私にできることがあれば、
何かしてあげたいです。
目のつけどころをシャープにして…
何とか回復していただきたいです。