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ヒグマ駆除萎縮_逆転敗訴にハンター衝撃

 今日は2024年10月19日(土)です。
 札幌は雨です。
 自転車通勤は諦めました。
 明日は冷え込む予報です。
 とても残念なニュースが道新に載っていました。
 2024年10月19日、北海道新聞の記事です。
 ヒグマ駆除萎縮猟銃訴訟逆転敗訴にハンター衝撃 安全な使用、議論求める声も
 北海道公安委員会から違法に猟銃の所持許可を取り消されたとして、処分の取り消しを求めていた北海道猟友会砂川支部長の池上治男さん(75)が控訴審判決で18日に逆転敗訴し、ヒグマの有害駆除を担う道内のハンターに衝撃が広がった。人里近くでのクマの出没件数が増加する中、道猟友会幹部は「判決は駆除活動の萎縮を招く」と危機感を強め、近く緊急の理事会を開いて対応を協議する考えだ。
 砂川市は2018年8月、住宅が点在する山間部でヒグマの出没が続いたため、危険と判断し、池上さんら道猟友会砂川支部のメンバーに駆除を依頼した。同市の野田勉経済部長は札幌高裁で傍聴し、「一審で認められた内容と違う結果となり、残念としか言いようがない」と述べた。
 砂川市内ではヒグマの目撃や足跡の発見が20年を境に急増。以前は年間10~30件ほどだったが、20年以降は70~80件ほどで高止まりが続く。道猟友会砂川支部砂川部会の田村義男部会長(81)は「ハンターが問題ないと判断した上で撃って許可が取り消されるならば、誰も撃ちたがらない。われわれがリスクを負い、命懸けでクマに対応する必要はあるのか」と指摘する。
 今回の判決では、クマの後方にあった斜面が、弾を遮る安土(あづち)(バックストップ)として機能しないとし、「クマに弾が命中したとしても、跳弾する可能性があった」とみなされた。
 裁判を注視してきた猟友会関係者も、判決の影響を懸念する。道猟友会の堀江篤会長(76)は「完全に囲われた状況でしか撃てないと言われているようなものだが、有害駆除の現場で絶対に跳弾しない場所などない」と話す。道猟友会新函館支部ではクマの出没時の対応をパトロールにとどめ、発砲を控えるなど影響が続く。控訴審判決を受け、道猟友会は近く緊急に理事会を開き、自治体の駆除要請への協力の可否を協議する方針だ。
 クマの出没時の対応を巡っては、環境省が市街地での猟銃による駆除を原則禁じている鳥獣保護管理法を改正し、市街地での発砲の要件を緩和する方針を示している。一方、今回は山林内であっても、建物に弾が当たる危険性がないか厳しく問われた格好だ。
 道内のクマの駆除頭数は23年度(速報値)に1422頭と過去最多を更新。道は、ヒグマの推定生息数を34年末に22年末と比べて35%減らすため、捕獲数を増やす方針だ。ただ、道猟友会の会員は、2023年度に30年前から4割減の5470人まで減り、担い手不足に歯止めがかかっていない。
 一方、今回の判決では、撃った弾が「周辺の5軒に到達する恐れがあった」と指摘。さらに同行者の証言を基に、弾が別のハンターの猟銃に当たったとし、危険性を認めた。証言は一審判決では、当たったかどうか不確実性があるとして採用せず、判断が分かれた。
 クマの出没時に対応する警察官は「適切な駆除が必要であることは言うまでもない。ただ、安全に猟銃を使うことは別問題として議論していく必要がある」と指摘した。
道民の安全 誰が守る
 酪農学園大・佐藤喜和教授(野生動物生態学)の話 市街地周辺に定着するヒグマが増えている中、ハンターは危険な状況で駆除を行っている。行政からの依頼で発砲したにもかかわらず、責任を問われるとなると、誰もやらなくなってしまう。
 今回のような例は砂川だけでなく、どこでも起こり得る。2021年に札幌市東区の住宅街にクマが出没し、郊外で駆除したような事態がまた起きたとしても、行政がハンターに駆除を頼めなくなりかねない。
危険性考慮 判決妥当
 東京都立大の星周一郎教授(刑法)の話 砂川市の発砲現場は、警察官の指示が必要な市街地と異なり、ハンター自身が安全性を確認しなければならない、難しい判断が求められる場所だった。札幌高裁は、原告が建物に向けて撃ったという事実を認定しており、市の要請や警察官の臨場があったとしても、こうした行為を違反とする鳥獣保護管理法に照らし合わせれば、妥当な判決だった。
 北海道ではクマの増加が問題となっている。冷たい判決だと感じる人がいるかもしれないが、銃器の扱いは人命に関わることであり、判決は危険性を考え淡々と出されたものだと考える。(宇田川創良 、田中うた乃 、岩崎志帆)
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 砂川猟銃許可取り消し ハンター逆転敗訴 札幌高裁
 北海道公安委員会から違法に猟銃の所持許可を取り消されたとして、北海道猟友会砂川支部長の池上治男さん(75)=砂川市=が道を相手取り、処分の取り消しを求めた行政訴訟の控訴審判決が18日、札幌高裁であった。小河原寧裁判長は、公安委による処分を違法とした一審札幌地裁判決を取り消し、池上さん側の請求を棄却した。池上さん側は判決を不服として上告する。
 判決によると、池上さんは2018年8月、砂川市からの駆除要請を受けて同市内でクマに発砲。北海道警察は、池上さんが弾の届く恐れのある建物の方向に撃ったとして、鳥獣保護管理法違反容疑などで書類送検した。池上さんは起訴猶予となったが、公安委は19年4月、猟銃の所持許可を取り消した。
 判決理由で小河原裁判長は、池上さんがクマを撃った現場周辺は弾が跳ね返る可能性があり、弾がクマに命中しても、弾道が変われば周辺の建物5軒に到達する恐れがあったと判断。池上さんの発砲は、建物などに向かって銃猟をしてはならないとする同法や銃刀法に違反していると認定した。
 21年12月の一審判決は、現場の警察官から制止や警告がされなかったことなどから「発砲が不当だったとは言えない」として、公安委の処分を取り消した。二審判決は、警察官はクマや発砲する位置を認識していなかったと指摘。その上で、発砲は現場付近にいた警察官ら3人を危険にさらしたとし、違反を繰り返す恐れもあるとして、所持許可の取り消しは妥当だと結論付けた。
 池上さん側は、処分は駆除を担うハンターを萎縮させるとも訴えたが、小河原裁判長は「猟友会の献身的活動に公的機関が依存してきた実態は否定できず、駆除について議論の余地はあるが、処分が違法かどうかの問題とは別だ」と退けた。
 判決後に記者会見した池上さんは「現場を理解しない不当な判決だ。駆除が処罰の対象になるのならば、全道のハンターはクマを撃てなくなるだろう」と憤った。公安委の事務を扱う道警は「当方の主張が認められたものと考えております」とした。( 古田裕之 )

(以上、北海道新聞より引用)

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 私は札幌高裁の判決にとても不満です。
 裁判所は現場の困難さがわかっていません。
 小河原寧裁判長はヒグマのこわさを知らないだけです。
 行政にも、裁判所にも、
 猟友会に守っていただいているという認識がないです。
 高校生のコンビニのバイトみたいな金額で守っていただいているのです。
 札幌市東区で男性が襲われた事件を忘れないでほしいです。
 札幌高裁の判決に従うとクマがいても撃てないのです。

おことわり ヒグマが男性に何度もかみついたりする様子が動画に写っていますが、重要な記録と考え、本人や撮影者の同意を得て掲載します。
(以上、北海道新聞より引用)

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