医学講座
電気メスの使い方講座①
電気メスの取り扱いに、
コメントをいただきました。
昨年眼瞼下垂の手術をしました。
術中はもちろん器具など見えませんでしたが、
ピピッ。
ジジジ…
皮膚の焼ける匂い…
の繰り返しでした。
電気メスだろうと思っていましたが、
あまり使われないんですね。驚きました。
■ ■
私の書き方が悪かったようです。
形成外科でも
美容外科でも
電気メスはよく使います。
皮膚切開に電気メスは使いませんが…
止血に使います。
使い方が問題です。
■ ■
包丁で指を切った時…
血がたくさん出ます。
電気メスで止血しなくても…
押さえていると自然に血は止まります。
酸素と栄養を運ぶのが血です。
止まらないと困るので…
血を止める仕組みが生体にあります。
■ ■
皮膚からの出血は圧迫だけで止まることが多いです。
血管収縮剤を使うと…
あまり出血しないこともあります。
問題なのは…
血管からの出血です。
動脈からの出血と…
静脈からの出血があります。
どちらも止血しないと止まりません。
■ ■
まぶたには細い血管がたくさんあります。
私は皮膚切開に電気メスは使いませんが、
細い血管は丁寧に止血します。
ちょっとだけ企業秘密を暴露します。
私が止血に使うのは、
スイスの時計職人が使う先細のピンセットです。
デュモン(Dumont)の5番といいます。
■ ■
超精密ピンセット
Dumont
No.5
…と検索すると出てきます。
この超精密ピンセットで、
細い血管を一本いっぽん止血します。
これが札幌美容形成外科の手術です。
■ ■
私が韓国で…
延世大学の教授から
Precise surgery(とても精密な手術)
と評価されたのは…
この超精密ピンセットを使った止血です。
電気メスの音が…
ピッ・ピッ・ピッ・ピッは
丁寧な手術
ジジジ…ジジジ…ジジジ…は
雑な手術です。
参考にしていただけると幸いです。
“電気メスの使い方講座①”へのコメント
コメントをどうぞ
企業秘密を暴露して大丈夫ですか(笑) 形成外科研修医の方々などこのブログは 参考になりますね! ピンセットはブドウの粒抜き作業でもつかいますが、やはりいろんなピンセットがあり綺麗になるのとならないのがあります。
そうだったんですね。よくわかりました。詳しく教えて頂きありがとうございます!
私は元々眼瞼下垂というものを知らず、コンプレックスだった窪み目を治したいと調べてるうちに眼瞼下垂の症状に当てはまることに気づきました。
手術で脂肪も前に出して頂きましたが、窪みは改善されませんでした。
左右差は執刀して下さった先生も「もう一回やってもいいかもしれない」との事でしたが、以前よりはだいぶ開いているしとても楽になったので、今後は窪み目の方にお金を使おうかと思っているところです。
止血に使うのですか。
やはり、形成・外科ですね。
昨日、先生の夢を見ました。
先生の書棚の中に難しい本が沢山並んでました。