医学講座
目頭切開つづき
4月17日の目頭切開へのアクセス数が多いので続きを記載します。私は4年前から3回ほど韓国の目の手術セミナーへ講師として招かれました。そのセミナーには、私よりずっと有名な先生が招かれていました。韓国籍で米国在住、PRSという一流雑誌に目頭切開の論文を書かれている先生。中国の有名な形成外科教授がご一緒でした。
韓国へ招待された経緯は、その前年に上海で行われた国際学会でした。私の発表を聴いてくださった大韓美容外科学会会長の先生が韓国へ招待してくださいました。私はビデオで目頭切開の手術を供覧しました。
韓国や中国でも美容外科は盛んで、PRSという米国の雑誌にも韓国、中国、台湾からたくさんの優秀な論文がだされています。韓国は美容外科の競争が日本以上に激しく、技術的に優秀な先生もたくさんいらっしゃいます。
私の目頭切開はとても好評でした。日本の繊細な技術が評価されました。マイクロサージャリーという顕微鏡を使う手術は、もともと耳鼻科や眼科で広く行われていました。目や鼓膜の手術は細かいからです。マイクロサージャリーを目頭切開に応用したのは、おそらく私がはじめてだと思います。
韓国の延世大学の教授からはPrecise surgery(とても精密な手術)と評価されました。同じ目頭切開でも、中国の教授は目頭をチョンと切って一針縫うだけでした。教授はこれで十分だ。と言われましたが、誰が見ても私の手術の方がキレイでした。発表はすべて英語で行われます。私は韓国語も中国語もできません。外国の先生も日本語はわかりません。ただ韓国人も中国人も顔つきは日本人とそっくりです。同じ顔をした人を手術すればどの方法が一番キレイか見ればわかります。
わずか2~3㎜の範囲を私は約10針縫います。中国の先生は一針でした。普通の日本の先生はせいぜい5針です。顕微鏡を使うので細かく細かく縫えるのです。
中国の教授には申し訳なかったですが、日本の工業製品と中国製の差が手術にもみられたような気がしました。ただ、うかうかしてはいられません。中国ではとてつもないスピードで美容外科が発展しています。韓国の先生もお上手です。次の学会では負けるかもしれません。中国や韓国に負けないように日々勉強しています。