医療問題
医師養成費用
昨日行われた北海道知事選挙でも、地方の医師不足が問題になりました。高橋知事は、奨学金制度や北海道職員として医師を採用することにより、地方の医師不足解消を図ると公約しています。
札幌医科大学は北海道が設立した公立大学です。ここで医師、看護師、理学療法士、作業療法士の養成が行われています。私が入学した昭和49年で、医師一人を養成するのに数千万円の費用がかかると言われていました。
医師を養成するには、文部科学省から大学の設置許可をいただき医学部や医科大学を作ります。建物を建てて、教員を採用して、病院を作り、必要な物品を購入して、職員にお給料を払います。
家一軒建てるのですら、数千万円のお金がかかります。医科大学を建てるのに、どの位のお金がかかるのか?私にも想像できません。建物を建てて、中に入れる物品の他、研究用機材などが必要になります。医科系で使う研究機材や試薬はとても高価です。優秀な先生を呼んで研究をしてもらうためには、とてもお金がかかります。研究室は工場ではないので、一般的にはお金を生み出すことはありません。
医科大学には附属病院が必要です。ここで働く職員にもお給料を払います。病院というとお金が儲かりそうですが、大学の附属病院は例外なく赤字です。特に札幌医科大学附属病院は大赤字でした。病院の診療収入だけでは倒産してしまうので、北海道から赤字を補填しています。
これらすべての費用を学生数で割ると医師一人を養成する費用が算出されます。建物の費用まで含めると億の単位になるかもしれません。ですから私立医大に入学するには莫大なお金がかかる訳です。
私も道民の皆様の税金で医師免許を取得させていただきました。美容外科という下賎な医療かもしれませんが、少しでも社会の役に立とうと考えて毎日診療をしています。
医学部や医科大学に入学された学生諸君は、君たちには多額の税金が投入されているということを認識して欲しいのです。せっかく入学したのだから、せめて講義には出席して真面目に聴いてください。