医学講座
わかりやすい学会発表
先週土曜日の第30回北日本形成外科学会学術集会。
34の一般演題の中で、
私がいい発表だと感じたのが、
市立札幌病院形成外科の三浦隆洋先生です。
三浦先生は医師免許取得後3年目の若い先生です。
発表内容も良く、
パワーポイントの使い方が抜群でした。
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14.前立腺膿瘍から発症したと考えられる下肢ガス壊疸の1例
三浦隆洋、堀内勝己、七戸龍司、川嶋邦裕、吉田哲憲
(市立札幌病院形成外科)
症例は糖尿病を有する75歳の男性。左下肢痛と敗血症で当院救命救急センターヘ搬送された。 CTで左下肢筋肉内の広範囲ガス像と前立腺膿瘍を認めた。当日、左大腿部切断、前立腺膿瘍ドレナージ、膀胱皮膚瘻造設術を施行した。入院時の培養検査ではクレブシエラが検出された。その後、化膿性脊椎炎を併発したが、抗生物質の投与で軽快し退院した。前立腺膿瘍から下肢ガス壊疸に至った症例は珍しく、発症原因、治療経過等について報告する。
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上手な学会発表は難しいです。
後ろの席の人にも、
はっきりとわかるスライドを作るのは、
卒後何十年もたった先生でも下手な人がいます。
細かい字ばかりで、
さっぱりわからないスライドもあります。
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発表原稿をそのままスライドにして、
スライドを読むように発表する先生もいます。
そんなスライドは後ろの人には読めません。
発表内容を簡潔にまとめ、
理路整然と発表する能力が要求されます。
そこにスライドの色使いとか、
字の大きさや効果を入れると、
聴衆を退屈させません。
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三浦隆洋先生のパワーポイントは、
まず見やすくわかりやすかったです。
発表の進め方も上手でした。
私が新人医師だった頃、
一番指導が厳しかったのが、
先輩の吉田哲憲先生でした。
てをにはの入れ方まで厳しく指導されました。
私の想像では、
三浦隆洋先生は天性の芸術性に加えて、
市立札幌病院で厳しく指導された結果として、
素晴らしい発表ができたのだと思います。
これからも学会発表を続けてください。
ありがとうございました。
“わかりやすい学会発表”へのコメント
コメントをどうぞ
思ったんですが、パンフはないんですか?
スライドをそのまま読んでわからないってことはそうなんですよね。
教科書をただ読む歴史が苦手でした。
書いてあることしか読み上げないので、つまらない授業でした。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。パンフレットは抄録というもので、その内容が青字で書いたものです。形成外科の発表には必ず写真や説明があります。韓国に行ってハングルで書かれた字が読めなくてもスライドの写真を見ると結果がわかります。上手にプレゼンをするのはとても難しいのです。社内資料などとはちょっと違います。
私たち患者にも説明する時 わかりやすい先生とそうでない先生がおられますが、医学の学会となると医学用語が飛び交うのでしょうね。スライドをうまく使い、理路整然と話された三浦先生。吉田先生の教えでしょうか? 本間先生の発表も拝聴したいです。