医学講座

巨大色素性母斑のレーザー治療

 昨日、第1回キャンデラユーザーズミーティングin札幌が開催されました。
 札幌美容形成外科で使用している、
 レーザー機器の勉強会です。
 キャンデラ社のユーザーズミーティングは、
 学術的内容が深い会です。
 よくある、
 レーザー業者さん主催の、
 売らんかなの会とは違います。
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 昨日の会で私が一番勉強になったのが、
 北大形成外科准教授、小山明彦先生のご発表です。
 ロングパルスダイレーザーVビームを使った治療です。
 以前の院長日記でもご紹介した、
 巨大色素性母斑の治療です。
 形成外科医として、
 もっとも治療が難しい病気です
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 第85回日本形成外科学会北海道地方会②
 2013年2月17日の院長日記です。
 巨大色素性母斑という…
 生まれつきの病気があります。
 黒い大きなアザです。
 身体の半分くらいが真っ黒…
 …という赤ちゃんもいらっしゃいます。
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 手術をしても…
 レーザー治療でも…
 治療が難しい病気です。
 医学が進歩したんだから…
 アザくらい簡単に消せないの…?
 …と思われる方も多いと思います。
 巨大色素性母斑だけは…
 治療がとても難しいのです。
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 昨日の地方会で…
 北大形成外科の山尾健先生が、
 巨大色素性母斑に対するパルス色素レーザーの効果とその組織学的検討
 …を発表されました。
 形成外科の先生が読まれると…
 パルス色素レーザーは赤あざ用レーザーじゃない?
 …と疑問に思われる方も多いと思います。
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 発表の写真を見て驚きました。
 私が今まで見た巨大色素性母斑どの治療よりもよくなっていました
 真っ黒だった皮膚が…
 ほぼ白くなっていました。
 私が質問をして…
 疑問が解けました。
 この発表はすごいと思いました。
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 私が知らなかっただけで、
 この治療法はすでに英文論文として発表されていました

 Effectiveness of combined pulsed dye and Q-switched ruby laser treatment for large to giant congenital melanocytic naevi.
 Funayama E, Sasaki S, Furukawa H, Hayashi T, Yamao T, Takahashi K, Yamamoto Y, Oyama A.
 Br. J. Dermatol. 2012 Nov;167(5):1085-91.
 治療法の発案者は、
 こちらの院長日記でご紹介した
 KKR札幌医療センター斗南病院形成外科科長、
 佐々木了(ささきさとる)先生です。
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 昨日の小山明彦先生のご発表で、
 乳頭乳輪など、
 手術では治療が難しい部位の、
 色素性母斑にも効いていました。
 レーザー照射にもポイントがあります。
 最初にVビームをかけて、
 それからQルビーを照射します。
 専門的になりますがDCDはOFFでかけます。
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 赤ちゃんが生まれて、
 黒い大きなあざがあったら
 黒いアザが、
 手術では取れない部位にあったら
 すぐに北大形成外科です
 飛行機に乗って、
 北海道まで来る価値があります。
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 会場にいらした、
 皮膚科の先生からも驚きの声が出ていました。
 この治療法を発明した、
 KKR札幌医療センター斗南病院形成外科科長、
 佐々木了(ささきさとる)先生は、
 あらためてすごい先生だと思いました。
 巨大色素性母斑を検索したら、
 この院長日記がヒットすることを祈っています。

“巨大色素性母斑のレーザー治療”へのコメント

  1. さくらんぼ より:

    大変失礼だとはおもいますが、スケートの男子選手で右眉脇にかなり大きなあざかほくろか?ある方がいらっしゃいますが、あのような方のことでしょうか? 簡単に治るなら治りますか? みんな気にしています、、、

    【札幌美容形成外科@本間賢一です】
    コメントをいただきありがとうございます。身体の半分くらいとか、お腹の半分くらいなど、とにかく広範囲に真っ黒なあざです。子供さんは水着も着れないしほんとうに困ります。まれに悪性黒色腫になることもあります。この治療法が広まってほしいです。赤ちゃんのうちにレーザー治療をするとよくなります。

  2. なっちゅん より:

    成長とともに大きくなるから、赤ちゃんのうちに、なのでしょうか?
    身体の半分とは・・・
    見たことがありません。
    悩むでしょうね。
    先生の日記がヒットして北大に行ってくれるといいですね。
    救われます。

    【札幌美容形成外科@本間賢一です】
    コメントをいただきありがとうございます。大きくなるというより、赤ちゃんの皮膚が薄いのでレーザー光がよく通るのです。ですから赤ちゃんでも入院して全身麻酔でレーザー治療をします。

  3. 2児ママ より:

    興味深く拝見させてもらってます。すみません、相談なんですが…小学生の娘が生まれつきの色素性母班あり(額に500円弱の茶アザ)修学前まで10回以上レーザーを当てましたが薄くなるくらいでした。きれいには消えないと説明は受けていたんですが。切除となると植皮になるためOPはしないできました。本人もOPは嫌がっていたのと、レーザーも修学前にこれで終わりにすると言ってやめました。今回のレーザーですと茶アザもきれいになるのでしょうか。旭川厚生HPで最初は治療してましたがレーザーを扱わなくなったため旭医に通院していました。

    【札幌美容形成外科@本間賢一です】
    このような個別の相談は相談フォームからお願いいたします。院長日記に書いた巨大色素性母斑がのレーザー治療が著効となるのは皮膚が薄い赤ちゃんの時期です。レーザー照射後はやけどのような状態になり、しっかりと管理をして治療しなくては治りませんし痕が残ります。相談者のお嬢様はすでに小学生になっていらして『本人もOPは嫌がっていたのと、レーザーも修学前にこれで終わりにすると言ってやめました』と書かれていました。今も本人が治療を希望されているのでしたら、JA旭川厚生病院形成外科を受診して、北大のレーザー治療の適応になるかどうかお聞きになってください。JA旭川厚生病院形成外科には北大形成外科から担当医が出向しています。

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