医学講座
第33回日本美容外科学会(京都)②
今回の学会第2日目、
平成22年10月8日(金)の発表で
印象に残ったのが、
パネルA-9
PRP療法は効果があるのか
でした。
座長はこまちクリニックの
土井秀明先生でした。
■ ■
①PRP注射による老化皮膚改善は期待できるか
久保田潤一郎クリニック
久保田潤一郎先生
②PRP注入療法の臨床効果を左右する要因に関する考察
柴田美容皮膚科クリニック
柴田節子先生
③塩基性線維芽細胞成長因子(b-FGF)添加PRP注入治療の効果と副作用についての症例検討~フィラー治療として~
飯尾形成外科クリニック
飯尾礼美(よしみ)先生
④新しいフィラーとしてのPRP療法の有用性とリスク対策
烏丸姉小路クリニック
林寛子(ともこ)先生
⑤血小板血漿(Platelet Plasma)を用いたアンチエイジング治療の基礎から臨床
(医)貴順会吉川病院美容皮膚形成
川添剛先生
①~⑤の5人の先生がパネリストでした。
■ ■
PRP療法というのは、
自分の血液から血小板という成分を取り出し、
これを顔に注射することによって、
シワや『たるみ』の改善をはかるものです。
久保田潤一郎先生と
松田先生が日本ではじめて発表されました。
■ ■
自分の血小板を取り出して、
それを注射するので…
安全というのが売りです。
ところが…
血小板だけでは、
効果が不十分なので、
グロースファクター(bFGF)を入れた治療を、
⑤の川添先生がはじめられました。
■ ■
このグロースファクター(bFGF)とは、
やけどの治療でご紹介した、
フィブラストスプレーです。
発表された5人の先生のうち、
飯尾先生、
林先生、
川添先生の3人が、
bFGFを使っていらっしゃいました。
■ ■
飯尾先生は、
ご自身のお母様にも使われ…
先生の額に注射して、
そこを切除して、
病理検査までなさっていらっしゃいました。
副作用が出た症例も発表され、
飯尾先生の正直なお人柄が出ていました。
■ ■
私は、
今回のご発表を聞いて…
将来、bFGFを使った…
美容医療が、
若返り治療の主流になると感じました。
ただ、残念なことに、
不適切な使われ方によって、
良くない結果が出ていることも事実です。
■ ■
こういう治療こそ、
大学医学部の美容外科部門で、
しっかりと研究を重ねて…
正しい使われ方をして欲しいと思いました。
よく効く薬ほど、
使い方を誤るととんでもないことになります。
札幌美容形成外科では、
まだこの治療法は行いません。