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うれしいお客様
私が市立札幌病院に在籍していた平成元年12月に手術した方がいらしてくださいました。
その方は、お仕事中に顔の骨を骨折する事故に遭われて、他の病院から市立札幌病院へ紹介されました。美しい女性なのに顔の骨を骨折する事故に遭われ、とてもお気の毒に思った記憶があります。
さいわい骨折はうまく整復されキズも目立たなくなったので、3年ほど経過観察をして症状固定にしました。ただ神経が損傷していたので頬の知覚障害が残っていました。
私が市立札幌病院から帯広厚生病院へ転勤した後で、ケガをした部位が飛行機に乗ると痛くなったそうです。私の転勤先を聞いてくださったそうですが行き先不明?で、他の形成外科で手術を受けられました。
その経過が思わしくなかったため、また別の形成外科で手術を受けられ改善したそうです。ただ骨折の整復に使用したプレートとスクリューが残っていて、どこのメーカーの製品かわからないため取れなかったそうです。
手を尽くして私の消息を探していただき、遠方からはるばるいらしていただきました。お顔を拝見するとすぐに思い出しました。プレートとスクリューは数種類使っていたため、レントゲン写真を撮りました。写真を見るとその特徴的なスクリューをすぐに思い出しました。
そのスクリューは特殊な形状で特別なドライバーがないと絶対とれないものでした。レントゲン写真上では骨に異常はなく無理に抜去する必要はないと判断できました。
患者様も私の説明に納得していただき安心して帰宅していただきました。カルテの保存期間は5年間なので病院へ問い合わせてもわからなかったそうです。カルテがなくても主治医にはすぐにわかることもあります。遠路はるばるいらしていただいてよかったと嬉しく思いました。