医療問題

カレスサッポロ格付け取り下げ

 平成19年10月11日北海道新聞朝刊の記事です。
カレスサッポロ格付け取り下げ
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 格付け大手のフィッチ・レーティンクス(東京)は10月10日、特定医療法人社団カレスサッポロ(札幌、西村昭男理事長)の円建て長期発行体デフォルト格付け(IDR)について、「2007年3月期決算から監査報告書の提出がない」ことを理由に、投資適格の「BBB」から非投資適格の「BB」に格下げした上で、格付け自体を取り下げたと発表した。
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 IDRは長期無担保債務の支払い能力を格付けしたもので、カレスサッポロは2006年3月に「BBB」を取得した。
 しかし今年夏に西村氏が理事長を兼務していた室蘭の医療法人社団で理事長解任騒動があり、カレスサッポロの経営への影響が取りざたされていた。
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 カレスサッポロは「『格付けが財務内容を不透明にしている』などの誤解もあり、騒動が沈静化するまで格付けを取り下げたい」との意向を示した上で「経営体制を構築し、あらためて格付けを取得したい」という。
 以上、北海道新聞10月11日朝刊より引用。
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 特定医療法人社団カレスサッポロは、2006年3月16日にフィッチ・レーティングスから、円建て発行体デフォルト格付(IDR)「BBB」を取得していました。
 フィッチ・レーティングスのHPには2006年03月16 日の時点で、次のように記載されています。
 カレスサッポロは2005年3月末には 1)北光記念病院、2)形成外科メモリアル病院、3)北光記念クリニック、4)家庭医療クリニック西岡の4医療施設を運営しており、病床規模は合計260であった。
 しかしながら、過去12ヶ月間に実施された時計台病院、稲積公園病院、稲積公園クリニックの買収・統合および時計台記念クリニック新規開設の結果、現在では4病院、4診療所の8施設を運営することとなり、病床規模も合計475へと拡大している。今2006年3月期の医業収入はおよそ90億円と前年比で倍増する見込みである。
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 カレスサッポロの格付は、経営陣の優れた経営手腕を反映している。同法人には、経営不振に陥った病院に対する経営面、医療面の支援要請が持ち込まれることが多いが、支援先病院はいずれも業績が急回復している。
 フィッチは、カレスサッポロの経営陣が規制環境の変更や人口動態の動向を見据えた戦略にたけ、医療法人に対する透明性の向上や説明責任を求める環境変化に前向きに対応していることを評価している。(2006年03月16 日のフィッチHPより引用)
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 それが、2007年5月23日には、『フィッチは特定医療法人社団カレスサッポロの円建て長期発行体デフォルト格付(IDR)「BBB」を格付ウォッチ「ネガティブ」の対象にした。
 適時開示の条件が満たされず、信用力に懸念が生じたためである。』と記載されています。
 フィッチ・レーティングスは、世界三大格付機関の一つと言われる、権威ある会社です。
 天使病院に端を発した今回の騒動で、格付けが下がったことはとても残念です。
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 救命救急センターが休止したり、循環器センター・産婦人科が休止したりすれば、病院の収益は急速に悪化します。
 私のような個人経営の医療法人は銀行からお金を借りて経営しています。カレス位になると、銀行ではなくファンドからお金が出ています。
 格付けが下がり、非投資適格の「BB」とされ、財務内容が不明であれば誰もお金を出してくれなくなります。
 私のような個人事業でしたら、すぐに倒産です。
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 時計台記念病院は、形成外科の急患にも対応していただけるので、当院で手術中などの時はいつもお願いしてます。
 先日書いた循環器センターではとても素晴らしい仕事をなさっていらっしゃいます。
 一日も早く、事態が正常化して欲しいと願っています。

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