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手術をしてはいけない人

 日本美容外科学会の続きです。10月7日の学会でサフォクリニックの白壁征夫(シラカベユキオ)先生が興味深い質問をなさいました。
 白壁先生は、日本美容外科学会理事で、第27回学会会長。2004年10月、軽井沢で行われた学会に、形成外科系としてはじめて、高須クリニックの高須克弥先生と当時の聖心美容外科総院長の山川雅之先生を招かれた偉大な先生です。
 台風の影響で飛行機が飛ばず、しかも軽井沢だったため、全員必死の思いで学会へ行きましたが、とても実りの多い学会でした。
 白壁先生の質問は、手術をしてはいけない方をどうやって判断しますか?というものでした。
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 この人を手術すると、必ずトラブルになると思われる方がいらっしゃいます。
 これは美容外科を開業していても、雇われ院長をしていても、美容外科の勤務医をしていても同じです。
 先日書いた、醜形恐怖症の方も含まれますが、どんなに上手な先生が手術をしても、どんな完璧な手術をしても、結果に満足できない人です。
 私は‘世界一の美容外科医’ではないので、そもそも‘完璧な’手術はできません。どの程度まで治せるかをしっかり理解していただくことが重要だと思います。
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・A先生(男性)。
 (クリニックに)入ってきたらすぐにわかります。その方がどう言おうが手術はお引き受けしません。お帰りいただきます。
・B先生(男性)。
 とても神経質な方。手術をした途端に豹変する方もいらっしゃいます。
・C先生(男性)。
 態度。(初診の際の)第一声でわかります。同じことを何度説明しても、細かいことを何度も質問されます。
 特に男性の方に気をつけます。手術を引き受けるまで、何度も来院する人もいらっしゃいます。
 手術をすると、手術後に苦労することは目に見えていますので、手術はいたしません。
・D先生(女性)。
 (精神病との)境界型の方がわからないことがあります。理解力のある方しか手術をしておりません。
・E先生(男性)。
 笑わそうとしても(笑いを誘っても)笑わない人。
 耳元でささやくように話す人。
・F先生(男性)。
 米国で40~50年前に調査した結果です。一番、問題がないのが、女性の加齢によるシワの手術。
 一番問題になるのが、男性の鼻の手術と言われています。
・G先生(男性)。
 精神病の方。暴力団関係の方。
 精神病の方が困ります。
・H先生(男性)。
 最近はメール相談でも困ることがあります。
 自分の不幸を他人のせいにする人。他人が悪いので自分は不幸になったというような人。
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 美容外科医の宿命かもしれませんが、この人を手術するとトラブルになるという方はいらっしゃします。
 ベテランの先生でも、たくさん困った経験があるようです。
 ある開業医の奥様が、うちの先生はせっかくいらした‘お客様’を帰してしまうと嘆いていたことがありました。
 ベテランの先生だからこそ、帰してしまうのだと思います。
 ベテランになればなるほど、困った症例に出くわすこともあります。私などまだまだ修行が足りないと思いました。
 学会に参加しなかった若い先生の参考になれば幸いです。

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