医療問題

救急救命センター休止

 平成19年10月12日北海道新聞朝刊の記事です。
日鋼記念病院 「救急救命センター」を休止へ
      ■         ■
 【室蘭】医療法人社団カレスアライアンス(室蘭)が経営する日鋼記念病院(室蘭市新富町)は11日、医師不足から、高度救急医療(三次救急)を担う「救急救命センター」を休止する方針を固めた。近く、道などに意向を伝える。救命救急センターの休止は全国初。
      ■         ■
 日鋼記念病院は今年9月、同社団の西村昭男理事長の解任に伴い、前院長を含め西村氏に近い医師ら5人がすでに退職。11月末までにさらに5人の退職が決まっており、医師は69人にまで減る見通し。退職医師には循環器科の4人や脳神経外科、形成外科の各1人が含まれているため、救急救命センターの機能維持は難しいとの判断に傾いた。
      ■         ■
 救急救命センターは、重症の救急患者を治療するための医療機関として、都道府県知事が定める。交通事故の負傷者や心筋梗塞(コウソク)、脳卒中などの治療に当たるが、日鋼記念病院は医師不足から脳神経外科と循環器科の新規患者の診療をすでに休止し、救急救命センターも事実上の休止状態となっていた。
      ■         ■
 同病院は、センターを当面の休止とし、医師が確保できれば復活したい考え。救急救命センターは全国に約200カ所、道内に10カ所あるが、厚生労働省は「休止や廃止は聞いたことがない」としている。
 同社団の混乱は、同社団が経営する天使病院(札幌)の別法人への移管問題が発端。移管を提案した西村前理事長に病院職員が反発、天使病院の産婦人科医師6人が退職を申し出る事態になった。その後、9月の臨時社員総会と理事会で西村氏が解任され、西村氏に近い日鋼記念病院の医師の退職が相次ぐなど、混乱が室蘭に飛び火した。
 以上、北海道新聞の記事より引用。
      ■         ■
 救命救急センターは一刻を争う救急患者の救命を行うセンターです。日鋼記念病院救命救急センターへは札幌医大から優秀なスタッフが派遣されていました。
 来年の洞爺湖サミットの際に、一番近くて頼りになるのが日鋼記念病院です。
 日鋼記念に救命救急センターがなくなると、万一の際は、ヘリで札幌まで搬送です。
  ヘリは悪天候に弱く、霧が出て視界が悪ければ飛べません。そうなると、高速道路を使って救急車で搬送です。
      ■         ■
 循環器センターもなくなってしまったので、もし、サミットで日本や外国の首脳が心筋梗塞になっても治療ができません。
 札幌まで搬送している間に、手遅れになります。
 そんなことは、北海道の医療行政を担当していれば、すぐにわかることです。
 カレスアライアンスの事情もわかりますが、とても残念なことです。
      ■         ■
 サミットは来年ですが、室蘭市を中心とする登別市、伊達市など近隣住民の方にはもっと切実な問題です。
 一医療法人の問題ではありません。西村先生は、北大第一外科助教授から、室蘭の日鋼病院へ赴任され、見事に病院を建て直されました。
 その業績は、医療界では有名な話しです。
 救命救急センターは、地域住民にはなくてはならないものです。一度休止してしまうと、優秀なスタッフもバラバラになってしまい、再建するのも容易ではありません。
 一日も早く、正常な状態に戻って欲しいと願っています。

“救急救命センター休止”へのコメントを見る

TEL 011-231-6666ご相談ご予約このページのトップへ