昔の記憶

お墓がこわかった私です

 今日は2018年8月14日(火)です。
 お盆なので、
 お墓のことを書いてみます。
 小学生の頃の私は、
 おばけ
 お墓
 火葬場
 死体
 
 注射

 …がこわい子供でした。
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 父親が勤務していた、 
 三菱茶志内炭鉱病院は、
 丘の上にありました。
 すぐ前が墓地でした。
 炭鉱病院に行くには、 
 墓地の中の道を通るか、
 急な坂道を上がる2つの道がありました。
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 こわがりだった私は、
 小学校6年生になっても、
 墓地の中を通らず、
 遠回りをして、
 急な坂道を上がりました。
 そのくらい、
 おばけお墓がこわい少年でした。
 今では考えられません。
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 不幸にもクビになってしまいました
 札幌医大に在職中は、
 解剖学第二講座の村上弦むらかみげん教授
 …のおかげで、
 解剖学教室で研究をさせていただきました。
 PRSという米国形成外科学会雑誌に掲載された英文論文もあります
 解剖学教室で研究なんて、
 小学生の頃のけんいち少年には、
 考えられなかったことです。
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 今は、
 おばけ
 墓地
 火葬場
 死体
 
 注射

 まったくこわくないです。
 お墓には何回も行っています。
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 解剖学教室には、
 たくさんのご遺体や骨があります。
 医学生が最初に行う解剖学実習は、
 骨学こつがく…という、
 人体の骨の勉強です。
 解剖学教室に保存されている、 
 ほんものの人間の骨をスケッチするのが、
 医学生が一番最初にする解剖学実習です。
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 骨の形をスケッチするだけではなく、
 骨の名前や、 
 骨の各部の名称を覚えます。
 一番の難関は頭蓋骨です。
 たくさんの穴があいています。
 その穴の名前、
 穴を通る神経や血管の名前を覚えます。
 Foramen ovaleフォラーメン_オバーレ卵円孔
 …というようにラテン語の学名で覚えます。
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 この骨学実習のおかげで、
 すっかり骨に対する恐怖心はなくなりました。
 反対に、
 口頭試問で聞かれる、
 難しい学名を、
 今でもお経の文句のように覚えています。
 医学生にとって、
 骨はとても大切な勉強のひとつです。
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 お墓は亡くなった人の、
 骨を埋葬する場所です。
 解剖学実習の骨とは違って、
 火葬場で焼いて、
 原型をとどめないほどになっています。
 骨壷に入っている骨もあれば、
 土の中で白い粉状になっている骨もあります。
 土地によって埋葬の方法も違います。
 焼いてある骨は感染症の危険もありません。
 お墓は骨の埋葬場所というより、
 故人の思い出をしまう場所のような気がします。

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