医療問題

病院の赤字

 私は美容外科医になる前に総合病院の形成外科医をしていました。
 私が勤務した病院で黒字だったのは、釧路労災病院と帯広厚生病院でした。釧路労災病院は当時、新田一雄院長とおっしゃる、伝説の素晴らしい院長がいらっしゃいました。
 全国の労災病院でもトップクラスの黒字病院でした。設備は一流で、大学病院にない医療機器もたくさんありました。
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 帯広厚生病院は北海道厚生農業協同組合連合会(JA北海道厚生連)が経営する総合病院です。
 JA北海道厚生連は農協法により昭和23年8月に「農民の健康保持と生活文化の向上」を目的として設立されました。 農業団体が経営する、農民のための病院です。一番偉いのは農協の組合長さんで、医師はその下で雇われています。
 帯広厚生病院はJA北海道厚生連の中でも、トップクラスの黒字病院でした。設備も施設も一流でした。
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 逆に、札幌医科大学附属病院、北海道大学病院、市立札幌病院は赤字でした。
 これら3病院は今でも赤字だと思います。
 救命救急センターがあったのは、市立札幌病院と札幌医科大学附属病院。私が辞めた後で帯広厚生病院にもできました。北海道大学病院にも救急医学講座ができました。
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 札幌市には消防ヘリがあり、消防局の救急隊も優秀です。
 消防ヘリの維持管理には莫大な費用がかかり、消防・救急にもお金がかかります。
 現在の日本では、119番で救急車を頼んでもお金はかかりません。タクシー代わりに利用する人がいて困っているくらいです。
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 私は一人の札幌市民として、消防・救急、救命救急センターにお金をかけるのはよいことだと思います。
 病院が赤字で必要な医療器械も買えないのでは困ります。ある程度のお金は行政から支出しても仕方がないと思います。
 問題なのは、仕事をしないで、給料ばかり高い職員がいるために赤字になっている病院です。
 どこの病院とは申しませんが、そういう病院がありました。
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 私は札幌市民が安心して暮らせるために、ある程度の税金が使われることは必要だと思います。
 札幌は同規模の日本の他都市より凶悪犯罪が少ないそうです。統計的なデーターがあるかどうかは知りませんが、確かに凶悪犯は少ない気がします。これにも札幌市の医療が役立っているそうです。
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 事務所経費や、議員さんのわからない調査費に税金を使うのは反対です。
 安心して暮らせる街づくりのために税金を使うのは悪いことではないと思います。株式会社が病院を経営できるようになっても、救命救急センターは無理だと思います。
 お金持ちだけが、高度救命救急センターを利用し命拾いできるなんてまっぴらです。

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