医学講座
道新論説主幹・西村卓也さんの記事
今日は2022年3月6日(日)です。
昨日の北海道新聞朝刊に、
とてもいい記事が出ていました。
北海道新聞社、論説主幹・西村卓也さんの記事です。
ぜひ読んでいただきたいと思いました。
世界秩序回復へ連帯を 論説主幹・西村卓也
国際法にラテン語で「ユス・コーゲンス」という概念がある。いかなる逸脱も許されない最高のルールという意味で「強行規範」と訳される。侵略をしてはならない―。これはジェノサイド(民族大量虐殺)、海賊行為、奴隷売買の禁止と並ぶ強行規範の一つだ。
ロシアのウクライナ侵攻は、主権や領土に対する武力行使を禁じた国際法に違反する侵略行為である。ロシアはウクライナ東部の自国民保護を理由に掲げたが、その具体的事実はいまだに明示されていない。
攻撃は全土にわたり、市民への無差別攻撃が行われている。核の力を誇示して世界を恐怖に陥れる。プーチン大統領の行いは犯罪に値する。
今プーチン氏が破壊しようとしているのは、多大な犠牲を伴った第2次世界大戦の反省に立つ国際秩序である。その行動を拒絶する世界の決意は、圧倒的多数で採択された国連のロシア非難決議に表れている。
ウクライナの首都キエフはロシアやベラルーシを含む東スラブ民族の国家発祥の地だ。歴史的つながりが深いのは事実だが、それを根拠にウクライナを自らの権威主義的政治体制の影響圏内にとどめようとするのは独善である。国連憲章はすべての国の自決権を明記しており、他国を力ずくで従わせることはできない。
ウクライナの応戦は、自国の防衛だけでなく、大戦後の世界秩序を守る戦いと言える。敬意と共感をもって最大限の支援を惜しまない。「全世界の国民が平和のうちに生存する権利を有する」とうたう憲法を掲げる日本として、ウクライナの国内外で苦境にある人々を支えなくてはならない。
法を破って武力侵攻し土地を奪う構図は、77年前の北方領土の占拠と本質的に変わらない。領土交渉の基盤となる法と正義を度外視するプーチン氏の態度は信義にもとる。このままで交渉進展を期待することは困難と言わざるを得ない。
北海道に住む私たちは、時に対立しながらもロシアの人々を「北の隣人」と考え共栄の道を探ってきた。以前、漁業の合弁事業の取材でサハリンを訪れたことがある。出会ったロシア人はみな、明るい笑顔と強い正義感の持ち主だった。だがウクライナでの蛮行はそんな記憶を打ち砕く。力の信奉ではなく、協調に立脚した国際関係を重視する政治体制を確立してほしい。
世界秩序の回復に向け、重要なのは諸国民の連帯だろう。国際政治学者スタンリー・ホフマン著「優位か世界秩序か」の言葉を借りれば、私たちは同じ船の乗客で、突然の方向転換が沈没の危機を生む。力を合わせたかじ取りが必要だ。
米国や中国をはじめ、世界が一つになってこの暴走を止めなければならない。
■ ■
私は西村卓也論説主幹のご意見に100%賛成です。
本文中にある、
北海道に住む私たちは、
時に対立しながらもロシアの人々を「北の隣人」と考え共栄の道を探ってきた。
私は札幌医大に在職中に、
ロシアから来た熱傷患者さんの治療を担当しました。
ひとりの形成外科医として懸命に治療をしました。
■ ■
私の先輩、阿部清秀先生は、
ロシアから来たコンスタンチンちゃんの手術をされました。
TVで全国に放送されました。
阿部清秀あべせいしゅう先生と形成外科のスタッフが、
皮膚移植の手術をしました。
当時の救急の先生がYS11でサハリンまで迎えに行きました。
現在、市立函館病院、病院事業管理者の氏家良人うじけよしひと先生、
形成外科の畠克彦先生がTVに映っていました。
■ ■
阿部清秀先生は、
全身汗まみれになって、
コンスタンチンちゃんの手術をされました。
私たち北海道に住む日本人は、
西村論説主幹が書かれているように、
北の隣人と仲良くしたいと思っています。
ロシア人はみな、明るい笑顔と強い正義感の持ち主だった。
残念ですが
ウクライナでの蛮行はそんな記憶を打ち砕きます。
一日も早くこの暴走を止めなければなりません。