医学講座
義眼への思い2022
 今日は2022年2月16日(水)です。
 今朝も札幌は小雪でした。
 積もらないでほしい、
 お願いだから、、、
 …という思いです。
 もう雪はいりません。
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 日本眼瞼義眼床手術学会
 私が雪の中を大阪まで学会に行く思いを、
 いつか院長日記に書こうと思っていました。
 まぶたの再建2019
 今から30年以上前のことです。
 私は市立札幌病院の皮膚科で、
 週に2回午後から形成外来をしていました。
 形成外科はなかったので、
 皮膚科の中で形成外科医が診察をする、
 形成外来です。
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 大きな病院に形成外科をつくるのは大変でした。
 市立札幌病院の事務局で、
 考えてくださったのが、
 形成外来という看板でした。
 皮膚科外来に、
 つけてくださった時は、
 ほんとうにうれしかったです。
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 そんな私でも、
 頼って来てくださる患者さんがいらっしゃいました。
 今でも忘れられないのが、
 悪性腫瘍で眼球を摘出した子供さんです。
 眼球はなくなっても、
 義眼を入れて、
 『見た目』が、
 違和感のない目
 …にしてほしいという願いでした。
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 眼球を摘出した後に、
 義眼台という土台がないと、
 うまく義眼が入りません。
 30年以上前、私は患者さんに、
 (将来)医学が進歩して、
 必ず義眼が入るようにできるから、、、
 …と説明しました。
 治せませんなんて言えませんでした。
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 あれから30年以上たちました。
 残念なことに、
 日本にはK243義眼台包埋術8010点という保険の手術があるのに、
 正式に認可された義眼台がありません。
 今年の第33回日本眼瞼義眼床手術学会で、
 京セラ株式会社の山根義晴様が、
 義眼台の承認取得に関する課題
 -企業、薬事の視点から-
 …を発表してくださいました。
 いい義眼台が日本で発売されることを期待しています。
“義眼への思い2022”へのコメント
コメントをどうぞ

 
                         
                        



義眼台というのが必要なのですね。
おすぎとピーコのピーコさんは
正式に認可されてない義眼台を
使われたということですか?
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。不勉強でピーコさんのことは知りませんでした。先日の学会でも正式に認可されたものがないと言われていました。おそらくその通りだと思います。
本間先生と皆さんが力を合わせて
市立札幌病院に形成外来ができた
のですね。
診ていただいたことのある
産婦人科の先生が形成外科の先生
に繊細な創部の縫合を教えてもらい
患者さんの手術をしてキレイな傷跡
で終えることがそうです。
形成外科はすばらしいと思いました。
手術の方法があるのに、
正式に認可された義眼台が
ないのは問題だと思います。
困っている患者さんにとって
良い方向に進んでいってほしいと
思いました。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。30年も前ですが、いつか治療が進歩すると説明したのに30年前のままです。毎年学会に参加するたびに子供さんのことを思い出します。
目の癌がある事は知っていましたが
義眼台が認可されないのはなぜでしょうか?
知人の家族も目の癌で義眼にして本間先生と話ししたと言ってました。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。義眼台が認可されないのは製品化しても年間に売れる個数が少ないので発売しても黒字にならず、商品化する企業がないかららしいです。京セラさんは何とか製品化したいと言われてました。期待したいです。