医学講座
眼瞼下垂手術に使う糸
残念なことですが…
どんなに手術中に確認しても…
左右差が出ることはあります。
手術から…
しばらくしてから…
下がってくることがあります。
私が手術をさせていただいた方にも…
再手術や再々手術となることもあります。
自分で再手術をしてみると…
糸が切れたとか…
糸がゆるんだことはありません。
■ ■
大部分は、
もともと弱かった眼瞼挙筋が、
また伸びてしまったためです。
他院で眼瞼下垂症手術をして、
札幌美容形成外科で再手術をした患者さんの中には、
吸収糸という、
溶ける糸を使った例がありました。
その方は、
挙筋腱膜という組織を留めたところが…
とれてしまっていました。
■ ■
私の瞼の中には、
大竹先生が固定してくださった糸が、
片方に3本ずつ入っています。
何の違和感もありません。
この溶けない糸が、
瞼(まぶた)をしっかり固定してくれています。
私はせっかく治していただいた瞼を…
大切にしています。
洗顔の時もこすらないようにしています。
■ ■
手術にどんな糸を使うかは…
手術をする先生によって異なります。
溶ける糸を使う先生でも…
とても上手な先生もいらっしゃいます。
世界中で一番使われている、
溶ける糸は、
米国ジョンソン・エンド・ジョンソンという会社の、
バイクリルという製品です。
■ ■
少し専門的になりますが…
その糸の添付文書に次のように書いてあります。
本品の縫合糸は吸収性であるため、
緊張下組織を長期にわたり
接合を要する部位には使用しないこと。
簡単に言うと…
眼瞼下垂症のような手術には使うな
…ということです。
■ ■
溶ける糸を…
心臓の手術に使うことは禁止されています。
医学部でも教えないですし、
形成外科専門医でも知らない人がいます。
眼瞼下垂症手術は…
簡単な手術ではありません。
先生を選んで…
慎重に手術を受けてください。
よい手術を受けると…
とても快適になれます。
“眼瞼下垂手術に使う糸”へのコメント
コメントをどうぞ
この溶けない糸が、もしかりに切れたり、ゆるんだりしたときに、また眼瞼下垂は再発するんですか?
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
本文中にも書いてありますが、溶けない糸でしっかり縫えば糸が切れたりゆるむことはありません。
眼瞼下垂の再発は、目をこすったり、コンタクトの使用によって、筋肉や筋膜がいたむからです。
糸はゆるみませんが、人間の組織は伸びます。カシミヤのセーターでも伸びるのと同じです。
部位によりいろんな糸が使われるのですね。私は頚椎は抜糸がなかったので溶ける糸、だったのかも、お腹はホチキスみたいな金属、脊髄腫瘍は抜糸がありましたが、見えませんでした。 ただ外科の先生より整形外科の先生は綺麗に縫合してくださるので形成外科医はもっと綺麗なんだろうと思います。 眼瞼下垂の手術後も洗顔で強くこすらないなど本間先生は気をつけていらっしゃるのですね。
こんにちわ。私は1年ほど前に全切開で眼瞼下垂の手術を受けました。先日眼科受診した際に瞼を引っ張ってひっくり返して診察を受けました。眼瞼下垂の手術をしているので瞼をひっくり返にくいようで何度も結構引っ張ってひっくり返されました。それからなんとなく左右で目の開きが違うような気がします。薄かったり脆かったりする部位の手術ですし、そういったことが原因で糸が外れたり取れたり、折角の手術の効果がなくなったりしてしまうのでしょうか?
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
眼科専門医がまぶたの裏側を診察する際には挙筋腱膜を固定した糸には十分気をつけると思います。まぶたを反転するのが難しいことはありますが、手術から1年も経過してから、まぶたを反転したことで効果が無くなることはないと思います。
はじめまして。
こちらの記事を拝見して、疑問に思ったので質問させていただきます。もし、また筋肉が伸びて再発し、再手術となった場合に前回手術した時の中糸は取ってもらえるのですか?それともその糸は取らずにまた追加されてしまうのでしょうか?瞼にたくさん糸が入るのは良くないと思うのですが…。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
当院では非吸収糸を使っているので再発した場合には前の糸は抜去しています。吸収糸を使っている施設だと瘢痕はんこんという組織なっているので抜糸できません。再発を防ぐには目をこすらないこと、ハードコンタクトを使わないことです。
わたしは二重切開をしているのですが、中縫あり(溶ける糸、溶けない糸)中縫無しどのパターンの二重切開後でも眼瞼下垂症の手術はできますか?
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
とける糸とかとけない糸とかではなく、どのくらい丁寧に手術をしてもらったのか?中の瘢痕の癒着具合はどうなのか?ということが大切です。二重切開の手術をしてくださった先生に相談なさってください。
度々すみません。
溶ける糸だと瘢痕が強くて、眼瞼下垂症の手術(表側切開)は難しくなるのでしょうか?
難しくなっても一応手術は可能なのでしょうか?
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
眼瞼下垂症手術で難しいのは挙筋腱膜と瞼板の操作です。とける糸の瘢痕が強いということはありません。手術侵襲の大きさや出血の程度、切開線の長さなどで変わります。手術をしてくれた先生によります。
ご返信ありがとうございます。
では、二重切開で中縫あり(吸収糸、非吸収糸)、中縫なし関係無く眼瞼下垂症の手術(表側切開)は一応全部できるということですよね?
どの手術方法が眼瞼下垂症の手術が1番やりやすいとかはありますか?
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
最初に手術をした先生だったらどこにどんな糸で固定しているかよくわかります。丁寧に手術をされたキズはきれいですし瘢痕も少ないです。
ごめんなさい。1番上のご返信コメントを見ていませんでした。手術方法関係なく、前の先生のやり方次第ということですね。ありがとうございました。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
先生によって止血方法も手術後の瘢痕も違います。よほど嫌でなければ、まず前の先生にご相談なさってください。
ご丁寧にありがとうございます。
手術してもらった先生が嫌なので、診てもらうのを躊躇しております。二重切開をしたことはまだ一度だけですが、傷跡によっては手術ができないということはあるのでしょうか?
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
一度だけでしたら瘢痕性癒着はあると思いますが手術はできると(私は)思います。
ご返信ありがとうございます。
できなくはないのかと思ったら少し安心しました。
ありがとうございました。
ちなみに、わたしの二重切開は眼窩隔膜を切ってるみたいですが、それでも眼瞼下垂症の手術(瞼表側からの切開)可能でしょうか?何度も質問をしてしまい申し訳ございません。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
眼窩隔膜を切開しても挙筋を操作しても瘢痕ができています。先生を選ぶ時に【美容目的】ではなく、保険診療で修正をたくさんしている先生を選んで、自分が理想とする目にできるかよく相談してなさってください。
アドバイスいただきありがとうございました。
また質問失礼します。
眼瞼下垂症になったら挙筋腱膜が瞼板から外れてミュラー筋だけが頑張ってしまいますよね?
その時に埋没法をしている人はミュラー筋が断裂してしまうことはありませんか?
ミュラー筋に埋没糸でできた瘢痕や線維化したところがあると引き伸ばされたときにそこから切れてしまいそうな気がします。線維化や瘢痕化したミュラー筋はそうでないところより弱いと聞いたので…
大丈夫でしょうか?
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
眼瞼下垂症は人によって挙筋腱膜やミューラー筋の状態はさまざまです。埋没法でミューラー筋が断裂はありません。信頼できる先生にかかってしっかり診ていただくことです。想像だけでいろいろ考えていても何も解決にはなりません。