医学講座

手術後のトラブル

 どんなに丁寧(ていねい)に手術をしても、
 手術後のトラブルは起こります。
 自分は名医なので、
 手術後にトラブルなんてありません…
 …という先生は信用できません。
 トラブルが起こった時に、
 どのように対処できるかが問題です。
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 手術というのは…
 生身(なまみ)の身体を切ります。
 切ると必ずが出ます。
 治る過程で…
 必ず腫れます。
 程度の差はあるものの…
 腫れない手術なんてありません。
      ■         ■
 30年も形成外科医をやっていると…
 さまざまなトラブルに遭遇しました。
 若き日の自分が起こしたトラブル。
 形成外科部長として勤務した病院で…
 下の先生が起こしたトラブル。
 医療事故報告書を書いたこともあります。
 幸いなことに…
 大事に至ったケースはありません。
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 トラブルを避けるために…
 心がけていることはたくさんあります。
 一番、気をつけていることは…
 自分が加害者になる可能性がある
 …ということです。
 ちょっとでも油断すると…
 事故につながります。
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 車の運転と同じです。
 30年間無事故無違反でも…
 死亡交通事故を起こす可能性はあります。
 経験とともに…
 どんな道路だと…
 事故を起こしやすいかを知ります。
 慎重に運転するようになります。
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 医療や手術も同じです。
 他の先生が起こした事故は…
 自分も起こす可能性があります。
 他の看護師さんが間違ったことは、
 自分の看護師さんが間違うこともあります。
 学会へ参加するのも…
 新しいことを知るだけではありません。
 友人の先生との情報交換も大切です。
 雪道で転ばないように…
 慎重に歩くのと同じです。

“手術後のトラブル”へのコメント

  1. さくらんぼ より:

    初心忘るべからず ですね。学会で新しい情報や意見交換などこれで終わりという事はなく、つねに勉強なのですね。頭がさがります。これからも頑張ってください。

  2. くくるん より:

    自分はトラブル起こしません、なんて先生は信用できないですね。

    例え大きな事故にはならなくても、手術を受けてトラブルが出た時に、術者が加害者的な立場【?】になることも
    こともあるということですか?

    【札幌美容形成外科@本間賢一です】
    私たちは医師賠償責任保険に加入しています。どんな薬にも副作用はありますし、思わぬ事故が起こることがあるからです。術者が加害者として訴えられたり免許停止になることはきわめてまれですがゼロではありません。大きな病院のトップになると自分以外の先生が起こした事故で責任を問われることもあります。病院で食中毒事故が起きても謝罪会見は院長の役割です。

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