医学講座
第110回日本美容外科学会報告②
眼瞼下垂症学会と言ってもいいような、
実に、内容の濃い学会でした。
眼瞼下垂症は、
奥の深い、難しい手術です。
自由診療の美容外科も、
保険診療の形成外科も、
満足度UPのため、
苦労しています。
■ ■
西條先生のミューラータッキング法と
松尾先生の腱膜固定法は、
とても興味深い内容でした。
眼科の先生の参加も…
内容を深くしてくださいました。
今までの学会にない内容でした。
■ ■
眼瞼下垂症の診断一つにしても、
日本形成外科学会や、
日本眼科学会の、
統一した診断基準はありません。
もちろん、
厚生労働省が決めた基準もありません。
■ ■
MRD:Margin Reflex Distanceという測定があります。
瞳孔(黒目の中のひとみ)の中心から…
上眼瞼縁までの距離が…
3.5mm未満となったら、
眼瞼下垂という人もいます。
ところが…
MRD(えむあーるでぃー)の測定法すら、
しっかりとした定義がありません。
■ ■
MRDを1㎜の誤差もなく、
自動的に測定する機器もありません。
(少なくとも私の知る限り…)
まだまだわからないことが、
実にたくさんあるのが…
眼瞼下垂症です。
眼科医も形成外科医も手術をしています。
でも…
誰が一番上手か?わかりません。
■ ■
今回の学会で、
すべてが解決できたわけではありません。
これから、
議論を重ねなくてはならないことも…
実にたくさんあります。
一人でも多くの方に、
快適で美しい目になっていただくために、
学会での論議が必要だと感じています。