医療問題

全国の医療訴訟2011

 平成23年6月21日、北海道新聞朝刊の記事です。
 全国の医療訴訟_患者側の不利顕著
 勝訴20%10年で半減(昨年)
 「医師守れ」の声判決に影響も
 医療事故をめぐり、患者側が医療機関に損害賠償などを求める民事訴訟について、昨年、全国の地裁判決のうち患者側が勝訴した割合は20.6%と、2000年以降で最低となったことが最高裁の統計(速報値)で分かった。明確な原因は分からないが、「医師の責任を過度に追及すると医療が成り立たなくなる」という世論の高まりヘの裁判所の配慮や、医師側による訴訟対策のガイドライン整備が進んだことなどを挙げる声もある。
 最高裁によると、昨年、医療訴訟の地裁判決は全国で321件あり、このうち患者・家族側の請求が一部でも認められた「勝訴」は66件。札幌地裁でも10件の判決中、勝訴は2件だった。
 これに対し、民事訴訟全体では全国で約8万3800件の判決があり、原告側勝訴は約7万3400件、勝訴率は約88%と、医療訴訟の勝訴率を大きく上回った。
 日本法医学会は1994年、死因がはっきりせず警察への届け出が必要な「異状死」に、医療過誤が疑われる場合を含むと定義。2000年前後から医師法違反や業務上過失致死容疑などで医師らが立件される事件が相次ぎ、それに伴い医療訴訟も増加した。ところが、2000年に46.9%たった患者側勝訴の割合はその後次第に低下している。
 こうした現状について、医療訴訟に詳しい札幌弁護士会の橋場弘之弁護士は「和解による解決も多く、実質的な勝訴率は一概に低いとはいえない」と指摘。その上で、外科や産科を中心に医師不足が深刻化する中、「訴訟による医療崩壊を防げという社会の要請が、裁判官の判断に影響を与えている可能性がある」と分析する。
 札幌弁護士会の会員でつくる医療事故問題研究会の高橋智弁護士も同様の見方を示し、「裁判所は医療訴訟だけ、被告側に甘い基準で判断していないか検証する必要がある」と批判する。
 一方、日本産科婦人科学会は2008年、標準的な診断と治療法を示した診療ガイドラインをまとめた。紛争予防などが目的で、作業に当たった北大大学院医学研究科の水上尚典教授(産科)は「ガイドラインは患者の安全はもちろん、訴訟対策として医師を守るためにも必要だった」と説明する。
 こうしたガイドラインは各診療分野で策定され、水上教授は「これにより容易に過失と認定される事例が減り、提訴件数や患者側勝訴の減少につながったのでは」と語る。
 ただ、患者側の不信感は根強い。
 後志管内倶知安町の会社員男性(56)は、医療ミスで母親を亡くしたとして裁判を起こしたが「医師の措置に不適切な点はない」として敗訴した経験を持つ。男性は「証拠はすべて病院側が握り、隠蔽されたら手も足も出ない。そもそも訴訟は医療機関への不信感から始まる。事故が起きても、医師は患者と家族にありのままを説明してほしい」と話す。
 (以上、北海道新聞より引用)
      ■         ■
 交通事故と同じで、
 医療に事故はつきものです。
 事故を起こしやすい先生がいます。
 自分だけは事故を起こさないなんて…
 考えてはいけません。
 私は、毎日、いつも、
 事故を起こさないように注意しています。
 どんなに経験を積んでも同じです。
      ■         ■
 外科や産科は事故が起こりやすい診療科目です。
 医学が発達した世の中でも、
 お産で命を落とす女性はいます。
 中には避けられない事故もあります。
 医療者側の不注意もあります。
 安全運転を心がけていても…
 突発的な事故が起こるのと同じです。
      ■         ■
 大きな病院に勤めていると、
 必ず事故に遭遇します。
 自分が起こさなくても…
 病院内のどこかで事故が起きます。
 若い医学生や研修医は、
 医療事故が多い科を嫌います。
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 現在の医療制度では、
 何科の先生になるかは個人の自由です。
 当直が多くて…
 休日も回診に出なくてはならなくて…
 休みがない科は若い人に嫌われます。
 もともと状態が悪い患者さんは…
 緊急で手術をしたのに、
 不幸にして亡くなることもあります。
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 私から見ると…
 明らかに医師が悪いのに…
 訴訟にもならず…
 医師免許停止にもならない先生がいます。
 一方で、
 誰がやっても難しい患者さんで…
 ミスでもないのに…
 訴えられて敗訴の先生もいます。
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 医療事故は、
 医療訴訟専門の弁護士さんでも難しいと思います。
 私たちですら…
 専門外の科のことはわかりません。
 訴訟の度に…
 婦人科も小児科も眼科も…
 その都度、勉強する弁護士さんはすごいです。
 私は航空機事故調査のように、
 第三者が公平に分析と判断をし、
 二度と同じ過ちを繰り返さないように、
 啓蒙するシステムが必要だと思います。
 患者さん側もそれを望むと思います。

北海道新聞より引用
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