医学講座
第37回日本熱傷学会①
東京ドームホテルで、
第37回日本熱傷学会が開催されました。
今年の会長は、
日本医科大学形成外科教授の、
百束(ひゃくそく)比古(ひこ)先生です。
日本医科大学では、
熱傷治療を古くからなさっています。
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百束先生が選ばれた、
今年の学会のテーマは、
社会復帰をめざした熱傷医療の追求です。
百束先生はかづきれいこさんと、
リハビリメイクもなさっています。
焼けてしまった皮膚は、
元に戻せませんが、
少しでも目立たなくして、
社会復帰をしやすくしています。
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今年の学会は、
一日しか参加できませんでしたが、
印象に残ったことを書きます。
私が医師になって30年です。
日本の熱傷治療は世界でも最先端です。
救命率も向上しました。
手術も変わりました。
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重症のやけどを救命するには、
救命救急センターの力が大きいです。
急性期と呼ばれる…
受傷後早期に手術をするようになりました。
最近は…
超急性期手術と呼ばれる、
やけどをしてすぐに手術をすることで
早く回復できるようになりました。
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深く焼けてしまった皮膚は、
焼けてしまった時点で死んでいます。
この死んだ皮膚にばい菌がついて、
その菌が原因で状態が悪化します。
やけどで回復しない皮膚を、
なるべく早く手術で切除して、
その部分に植皮をします。
そうすることで感染も減ります。
これが超急性期手術のメリットです。
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今から20年も前に、
大浦武彦先生が、
この超急性期手術を提唱していました。
本間君やってみろよ…
…と言われてましたが…
私には、できませんでした。
大浦先生の予言は見事に的中し、
今や最先端の医療です。
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美容形成外科を開業していると、
やけどの手術をすることはありませんが、
熱傷治療の勉強は、
創傷治療というキズの治りの勉強になります。
昔を思い出して、
感慨深く発表を聞くこともあります。
毎年、大浦先生はすごいと思います。