医療問題

交通事故と顔のけが

 交通事故のけがは、
 自賠責(自動車賠償責任保険)や任意保険で治療します。
 交通事故のけがに…
 自分の健康保険を使うことがあります。
 第三者の行為による傷病と言います。
 この場合は、
 必ず健康保険に…
 自動車事故であることを知らせる必要があります。
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 私が懇意にしていただいている…
 弁護士の高橋智(さとる)先生のHPに…
 交通事故の被害者が自分の健康保険を使うことは得策でしょうか?
 …というページがあります。
 自分にも一時停止義務違反などの過失がある場合は…
 治療費の一部を…
 慰謝料の中から天引きされることがあるので、
 『費用が安い健康保険を使うのが良い』という内容です。
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 確かに…
 脳損傷などで手術を受けると…
 一回の手術料だけで百万円を超えることがあります。
 健康保険で治療を受けると…
 百万円で消費税もかからないのが…
 自賠責保険で治療を受けると…
 最低でも1.2倍になります。
 この倍率は医療機関によっても違います。
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 つまり…
 健康保険だと100万円の手術が…
 自賠責だと120万円だったり…
 もっと高い可能性もあるので…
 できるだけ健康保険で治療した方が…
 患者さんも損をしないですよ…
 …ということです。
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 でも…
 医療機関側にしてみると…
 交通事故の患者さんを手術するために…
 深夜に看護師さんを呼び出したり…
 超過勤務手当を払ったり…
 複雑な診断書を書いたり…
 たとえ1.2倍でも…
 赤字になってやってられないという実情があります。
 全国の救命救急センターは慢性的な赤字です。
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 一番困るのが…
 健康保険の適用にならない治療です。
 現在の日本の健康保険制度では…
 運動制限がない傷あとは…
 手術費用が出ません。
 つまり…
 目が閉じられないとか…
 口が開かない場合以外は、
 目立つ傷あとでも健康保険の対象とはなっていません。
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 日本形成外科学会では…
 長年にわたって国と交渉していますが…
 ◇瘢痕拘縮形成術について
 ⑴単なる拘縮に止まらず運動制限を伴うものに限り算定する。
 …と明文化されています。
 運動制限のない拘縮(単純な傷あと)は、
 算定できない⇒保険請求できない
 …という決まりになっています。
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 もっと困るのが…
 傷あとの茶色の色素沈着です。
 このような『しみ』は保険の対象となりません。
 でも…
 交通事故の被害に遭った女性は…
 事故のおかげで…
 私の(美しい)顔が台無しになって…
 先生何とか治してください
 どんなにお金がかかっても…
 保険会社に請求してください
 …と来院されます。
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 私は30年以上形成外科をやっていますが…
 何度か保険会社と喧嘩したことがあります。
 患者さんは困ってるんだから…
 保険で治療できるようにするのが…
 あなたたちの仕事でしょうに!
 形成外科で治療する頃には、
 自賠責保険を使い果たしていて、
 治療費を払ってもらうのに苦労した人もいました。
 保険会社には、
 自分の娘がけがをしたら…
 …という気持ちで対応して欲しいと…
 いつも思っています。

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