医学講座

わきが手術と入院

 昨日(11月22日)北海道新聞夕刊『医師の目人の目 男の更年期障害』という記事が掲載されていました。
 胃が重く、食欲がない患者さんが、①内科で胃カメラなどの検査をして慢性胃炎の診断で薬をもらったが改善せず。②そのうちめまいがひどくなったので耳鼻科に行ってCT検査をしてメニエール病の疑いで薬をもらったが一向に快くならず。③次第に頭痛が激しくなったので脳外科へ行き異常は発見されず。④手がしびれるので整形外科で検査を受けても原因不明。最後に男性更年期外来へ来て『仮面うつ病』と診断され、薬をのんだら一ヵ月で全ての症状がウソのように快くなった。というお話でした。その方が診断がつくまでに要した期間は2年間で費用は50万円だったそうです。診断がついてからの治療費はおそらく数千円です。
 一般の病院ではまず検査や処置・薬に対してお金が支払われますが、先生この治療はいくらかかりますか?と尋ねるのはマレで、ドキドキしながら会計を待つことになります。治っても治らなくても、若い先生が診てもベテランの先生が診ても治療費は同じです。
 この記事では医療機関で金額を提示しているのは美容整形くらいと書かれていますが、美容外科でも料金を広告に掲載することは禁じられています。
 現在の日本の保険医療制度では出来高払いといって、かかった費用をすべて患者様に請求するシステムです。ですから極端な話、治るまでに日数と費用がどんなにかかろうと全額請求されます。
 ワキガ手術をするのに、病院では入院をすすめます。確かに入院すると看護師さんに洗髪もしてもらえるでしょう。ただ、その分治療費がかかります。ワキガ手術で入院するのはおそらく日本だけだと思います。日本でも美容外科では入院するところは皆無だと思います。当院にいらっしゃった患者様の中でワキガ手術で入院をお薦めした方は200人に一人程度約0.5%位だと思います。保険制度が変わりワキガ手術に対する診療報酬が入院でも通院でも同じになれば入院してワキガ手術をする病院も皆無になると思います。

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