二重・眼瞼下垂
眼瞼下垂の再発⑤
私たち形成外科医は、
まぶたの手術をよくします。
勤務医だった頃には…
交通事故などでけがをした人を診ました。
もともとは正常だった人のまぶたが、
事故で切れています。
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正常な人のまぶたは、
眼瞼挙筋と瞼板ががっちりくっついています。
正確に言うと…
眼瞼挙筋という筋肉は…
瞼板に近づくにつれて…
赤い筋線維(きんせんい)が少なくなり…
白い挙筋腱膜(きょきんけんまく)になります。
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事故でケガをした人は、
瞼板(けんばん)も…
挙筋腱膜(きょきんけんまく)も…
ずたずたに切れていることがあります。
その切れた断端(だんたん:はしっこ)を見つけて…
できる限り正常に近づけて縫います。
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中にはジグゾーパズルのように、
何がなんだかわからない人もいました。
手術中に丹念に調べて…
元通りに縫う作業です。
このような手術を繰り返すことで、
まぶたの解剖がよくわかるようになります。
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私は札幌美容形成外科を開業して8年になりました。
一番多いのが目の手術です。
勤務医時代と比較して…
くらべものにならないくらい手術をしています。
大学病院ですと…
大きな手術があるので…
手術日は週に2日程度。
今は毎日手術日です。
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数多く手術をすると…
困難な症例も多くなります。
眼瞼下垂症と言っても、
外見も人によって違いますが…
筋肉の状態や…
まぶたの中は実にさまざまです。
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正常だとがっちりくっついいている…
挙筋腱膜と瞼板が…
宙に浮いているように…
離れている人がいます。
腱膜も筋肉も薄くなって…
黒目が下にすぐ見える人もいます。
手術前にある程度予測して…
予定時間を長めに取る人もいます。
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私は形成外科医なので…
まず機能的によく見える目にすること…
他人から見ても…
見た目をよくすること…
欲張りですが…
この両方を目指しています。
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8年間の経験で…
手術前から再発しやすそうな目の人が
少しずつわかってきました。
注意して手術していますが…
こちらの注意を聞いてくれない人もいます。
病気なので仕方がないことですが、
医療者側としても…
再発で再手術は避けたいのが本音です。