昔の記憶
《いじめを見ている君へ》江川紹子さん
今日の院長日記は、
私の懺悔(ざんげ)です。
後悔しています。
私も悪いことをしました。
それだけに…
58歳のおっさんとして…
考えたいと思っています。
■ ■
平成24年7月16日、朝日新聞朝刊の連載記事です。
■声をあげて 自分のためにも
いじめを見たり聞いたりしても、誰かにそれを伝えるのは大変かもしれません。今度は自分がいじめられるかもって、不安になりますよね。でも、気がついた人が言わないと、その子は助からないんです。
中学校のころ、クラスで少し避(さ)けられている女の子がいました。男子から容姿(ようし)をからかわれていました。仲良しの女の子が1人いたことで、深刻ないじめにはなりませんでした。
でも、卒業後しばらくたった後の同窓会で、仲良しだった子が言ったんです。「あの子、亡くなったよ」。場がシーンと静まりかえりました。原因は病気でしたが、みんな心のどこかに、あのころのことが痛みとしてあったんです。
いじめられた子が自殺したり後遺症(こういしょう)を残すけがをしたりしたら、周りの人たちはすごく後悔することになります。いじめを傍観するのも、いじめの一種。被害を出さないためにも、自分が何もしなかったことでしんどい思いをしないためにも、声をあげてほしい。
イスラエルという国で、兵役(へいえき)を拒み、パレスチナ人への迫害をやめようと声をあげた若い女性がいました。周囲から無視され、批判もされたけれど、私にこう言いました。「自分自身に正直であることが一番ハッピーなんだ」って。
大人の社会にも不正はあります。だから偉そうなことは言えませんが、いじめを知ったなら、信頼できる大人に知らせてほしい。
子どもの世界のことは、子どもが一番よく知っているでしょう? 担任が信じられなかったら他の先生でもいい。学校以外の人でも構わない。あなたの声に耳を傾けている人はきっといますから。(ジャーナリスト)
(以上、朝日新聞より引用)
■ ■
夕張市立鹿島中学校の時です。
同じクラスではありませんでしたが、
同学年に避けられている子がいました。
40年以上前なのに…
苗字も…
名前も…
しっかり覚えています。
申し訳ないことをしました。
■ ■
男子も…
女子も…
その女の子を避けていました。
理由ははっきりわかりません。
その子を避けるのが…
儀式というか…
掟(おきて)のようでした。
■ ■
今から考えると…
私には…
その子を助けるとか…
その子のために何かをする…
…という意識はありませんでした。
他の級友と同じように避けていました。
■ ■
中学校一年生の時に…
いじめられていた私も…
中学校三年生になると…
クラスの評議員になりました。
ある日の学校からの帰り道に…
避けられていた子から…
(本間君は)評議員なのに…
(私を避けて)そんなことをして…
…と言われたことがありました。
■ ■
ほんとうにごめんなさい。
申し訳ないことをしました。
幸い、
その避けられていた子にも…
一人だけ仲良しの女の子がいました。
やさしい人だったと思います。
そのやさしい女性は、
私の同級生の奥さんになりました。
■ ■
夕張市立鹿島中学校のクラス会はありませんが、
もし、機会があれば…
私はその避けられていた子に会って、
昔は、
ほんとうに悪いことをしました。
ごめんなさい。
…とお詫びしたいと…
ず~っと40年以上思っています。