医学講座

豊かなことば、心を結ぶ

 平成25年3月8日、朝日新聞朝刊の記事です。
 豊かなことば心を結ぶ
 語彙・読解力検定受け付け中
 ことばの力を育むため、朝日新聞社とベネッセコーポレーションが実施する語彙(ごい)・読解力検定。最上級の「1級」が新設される春の検定申し込みの受け付けが進んでいる。心を伝え合える豊かな言語表現の大切さについて、コラムニストの天野祐吉さんに聞いた。
 日本人の「ことばの力」が落ちていると言うけれど、むしろ落ちているのは「聞く力」です。だから阿川佐和子さんの「聞く力」のような本が売れる。
 例えば病院で、三角巾で腕をつった知り合いに会う。そんな時「おケガですか?」って聞きますよね。それに対して「見りゃ分かるだろ」なんて応じる人がいたら、それは「聞く力」が足りない。
 「おケガですか?」という短い問いには「どうなさいましたか? 私は心配しております。よろしかったら、どうしてケガをなさったのか聞かせてくださいませんか。あまり話したくないなら『いえ、別に』とでも言ってくだされば、それ以上は追及いたしません」といった、さまざまな意味が含まれているのです。
 「聞く力」の貧しくなった世の中では、そうしたニュアンスがなかなか伝わらない。
 言葉は、意味だけでなく感情も伝えるものです。今話している僕の語り口を聞けば、言葉の不毛状態への嘆きが感じられるんじゃないかな。
 感情の機微、つまり細やかな揺れを表す言葉は、どんどん失われています。「舌を巻く」は「キスがうまい」、「額を寄せる」は「熱を測る」ことだと勘違いしている若者がいました。こうした「からだ言葉」は、失われつつある言葉の典型です。
 限りある言葉を無限に広げようと、ご先祖さんは努力してきました。それなのに、例えば「頭に来る」「はらわたが煮えくりかえる」「むかつく」といった表現が「腹が立つ」だけになってしまったら、それこそ腹が立ちますよね。
 感情の機微を表す言葉の宝庫は、方言です。例えば秋田弁に「えふりこき」って言葉があります。これは「いい格好をする」っていう悪い意味から「誇り高い」「弱みを見せない」という良い意味まで、とても幅広い。使われる文脈や言い方によって、ニュアンスは変わってくるのです。
 明治以後の教育は「読む力」と「書く力」、つまり意味を伝えることに重点を置き過ぎて「聞く力」「話す力」をおろそかにしてきた。素早く間違いなく伝わる「共通語」が作り出され、方言はまるで「悪い言葉」であるかのように封じられてきました。
 確かに、その方がコミュニケーションの効率はいい。だけど、効率一辺倒では困る。意味の伝え合いより心の伝え合い。それが大事なんだと、いまはみんな気づきつつあるんじゃないでしょうか。
 語彙・読解力検定には「からだ言葉」も多く出題されてますね。感情の細やかさを伝える言葉を生かすには、みんながその言葉を理解できることが前提です。その意味で、この検定が言葉を豊かにすることにつながればいいですね。(今村尚徳)
 あまの・ゆうきち コラムニスト。1933年生まれ。雑誌「広告批評」(09年に休刊)で編集長を務めた。朝日新聞にコラム「CM天気図」を連載中。
 (以上、朝日新聞より引用)
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 この記事は、
 朝、自宅で朝刊を読んで…
 朝日新聞デジタルから引用しました。
 豊かなことばは心を結びます
 これから医療人となる若い人に、
 是非、新聞を読んでいただきたいです
 新聞を読むと…
 言葉が豊かになります。
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 医療機関では…
 言葉はとても大切です
 不意の病で倒れた人は…
 平常心を失っています
 優しい言葉が大切です。
 しっかりと患者さんの訴えを聞く能力が必須です。
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 デジタルの時代になって…
 ニュースはスマホで…
 Yahooニュースだけという若い人がいます。
 たしかに便利ですが、
 新聞を読んでいただきたいです。
 朝日新聞は3月から…
 iPhoneでも紙面が読めます。
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 ご両親が自宅で朝日新聞を購読していらっしゃると…
 子どもさんは…
 ひと月500円で朝日新聞がネットで読めます。
 iPhoneでも十分に読めます。
 若い人に…
 豊かなことば
 …を学ぶために…
 もっと新聞を読んでいただきたいです。
 私は朝日新聞デジタルをおすすめします。

「聞く力」や「話す力」鍛えよう
からだ言葉や方言、大事にしたい
コラムニスト・天野祐吉さん

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