昔の記憶
幼少時の記憶
私が幼稚園の頃だと思います。私の父は自分の叔父を相手に裁判をしていました。自分の母親の弟にだまされて土地をとられたのです。
以前にも書きましたが、私の父は病院勤務の薬剤師でした。自分の実家の土地建物を叔父から購入したのに登記をしなかったため他人にとられてしまいました。
私が子供の頃、家にはテレビがなかったのにソニーのテープレコーダーがありました。裁判を起こした父がNHKで法律を勉強するために購入したのです。近所の家ではテレビで月光仮面や鉄腕アトムを見ていたのに私の家にはテレビがありませんでした。
私が高校生の頃、父は私に医者ではなく弁護士になれと言っていました。自分に法律の知識がなかったために親戚と骨肉の争いをしなければならなかったことがよほど残念だったのでしょう。私は社会科の政治経済が好きでしたので法学部にも魅力がありました。しかし法学部へ入っても弁護士になれる確率は低く、政治経済以外の社会科は苦手だったので医学部を受験しました。ただ父の影響で今でも法律は好きです。
東京の歯科医院で起きた殺人事件のように、親族間の争いは悲惨な結果になります。血のつながりを絶つことはできません。血のつながった者同士の争いは、そうでない者同士よりずっと憎しみが深くなります。親兄弟姉妹親戚をだましてはいけません。