医学講座

修正手術

 他院で手術を受け、経過が思わしくないと受診なさる方がいらっしゃいます。大学病院や総合病院に勤務していた時にも相談を受けていました。
 実は、お直しの‘お直し手術’は、とても難しい場合が多いのです。ちょっとした不具合を修正して欲しいと、軽いお気持ちでご来院なさる方もいらっしゃいます。
 変形の程度が軽ければ軽いほど手術は難しくなります。ちょっとした不具合が一番難しいのです。私は自分が見て‘このままではどうしても外を歩けない’という程度でないと手術はお引き受けしていません。
 いままで札幌美容形成外科で行った他院手術後の修正手術は、二重埋没法をしてその後に化膿して瞼に膿が溜まってしまった患者様。下まぶたのたるみ取り手術をして『アッカンベー』になってしまった患者様。昔、豊胸術を受けてシリコンバッグが破れて胸が変形してしまった患者様などです。
 お直し手術が難しい原因は、
 ①他院で受けた手術内容が不明なため、どこをどう縫ったのかわからず、皮膚の下にある見えないキズアトが予想以上にひどい場合があるからです。
 ②瘢痕組織というキズアトがあると、通常より手術操作がしにくく時間もかかります。
 ③患者様はよくなろうと思って受けた手術の結果、前よりも悪化したため、とかく疑心暗鬼になりがちです。
 私は、修正手術の相談を承った時には、まず手術をしてくださった先生に相談するように薦めています。心ある術者であれば自分の‘作品’に不具合があるのは許せないものです。
 その先生に修正手術をするだけの技量がないと判断した場合は、リスクや得られる結果を十分にご説明して納得していただいた方だけ手術をしています。
 取り返しが付かないことになったら人生の一大事です。‘彼’と美容外科は慎重に選んでください。

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