医学講座
第38回日本熱傷学会②
第38回日本熱傷学会②です。
今日の院長日記は重要です。
もしマスコミの方がこのブログを読んだら…
是非取り上げていただきたいテーマです。
ネット上で非難されることも覚悟の上です。
文句があるなら正々堂々と討論してください。
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日本熱傷学会としては、
ラップ療法の危険性に警鐘をならす
という結論です。
以下は学会抄録集からの引用です。
熱傷治療におけるラップ療法の現状報告
日本熱傷学会ラップ療法対策特別委員会
【目的】近年閉鎖療法の一種である「ラップ療法」は熱傷治療に対して有用性報告がある一方、感染症等の有害性報告も見られるため、現状を把握すべく調査を行った。
【方法】医中誌webを用いて、「ラップ療法」×「熱傷」で検索し、その有用性および有害性について調査した。また日本熱傷学会地方会を通じて、ラップ療法事例の調査を依頼した。なお今回は食品用ラップに限定して検討した。
【結果】医中誌から検索された文献、報告は93件であり、具体的事例報告があったものは25件(論文8、抄録17)で有用報告は20件50症例、有害報告は5件、13症例であった。地方会調査では有用報告は2施設、4症例、有害報告は25施設35症例であった。有用としたものは多くが2度熱傷創に用いられていた。有害とした原因の多くは感染症であり、受傷面積が少ない症例での敗血症化(2度10%BSA、2度1%BSA、3度1%BSA)がみられた。死亡転帰は4例あり、受傷面積の記載があった2例は30%BSA以下であった。褥瘡のラップ療法を参考に自己治療して感染を生じた症例、重症熱傷をラップ療法だけで治療し重篤化した症例等がみられた。
【考察】今回の調査で「ラップ療法は万能」という誤った情報のもとでの治療で重篤になった例や感染症例があることが判明した。本村は非医療材料で使用上の注意等の明記がなく、今後日本熱傷学会として本療法の危険性に警鐘をならすべきと思われた。
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ラップ療法の問題点という院長日記を、
2008年7月13日に書いています。
ネットの怖いところは…
良いところばかりを強調していて、
悪いところは書かれていない点です。
素人は簡単にだまされてしまいます。
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もし悪くなっても…
誰も責任を取ってくれません。
ネットに書いた人が医師であっても…
それを信じて使った人の責任です。
損害賠償請求もできません。
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私が問題にしたいのは、
ラップ療法で治ると信じて使っていて、
やけどが重症になって…
死者が出ている点です。
日本全国で問題となっています。
マスコミの方には…
是非、取材していただきたいです。
今日、14:00から委員会報告の発表があります。
“第38回日本熱傷学会②”へのコメント
コメントをどうぞ
妹のお舅さんもヤケドによる 敗血症で亡くなったので 大変 興味深く拝読させていただいております