医学講座
頭皮からの採皮⑤
頭皮からの採皮①
頭皮からの採皮②
頭皮からの採皮③
頭皮からの採皮④
いよいよ頭皮からの採皮最終回です。
■ ■
私は日本で一番多く頭皮からの採皮をしているのは…
耳の永田悟先生だと思います。
2012年秋の日本形成外科学会基礎学術集会でお会いしました。
私と同年代とは思えないほど…
パワフルな先生です。
Nagata-method(永田法)は後世に残る世界の手術法です。
■ ■
永田先生は、
ずっと昔から頭皮からの採皮を推奨していらっしゃいました。
特別な器械を使わず…
15番メスという…
形成外科ではごく一般的なメスを使って…
実にみごとに採皮なさいます。
耳の再建に使う皮膚は…
耳の上方、側頭部の皮膚です。
■ ■
15番メスで…
ふつうの形成外科医が皮膚を採取すると…
まず半分以上の形成外科は…
採った皮膚に穴を開けてしまいます。
均一に薄く採皮するのが難しいです。
永田先生は…
抜群のメスさばきで…
実に上手に採皮されます。
■ ■
私は…
こういう伝統芸的な技術を…
日本の若い形成外科医に学んでいただきたいです。
器械を使って採皮するのではなく…
自分の手の感覚で採皮できるようになります。
細かいテクニックはありますが、
頭皮からの採皮は有用な手術法だと考えます。
“頭皮からの採皮⑤”へのコメント
コメントをどうぞ
手さばきと言われましても人間で練習するわけにもいかないのでお猿さんとかで練習するのでしょうか?
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございました。メスの扱いは猿では練習できません。猿よりは消しゴムでも薄く削るのが練習になります。実際には練習なんかできないので、先輩の手術を見たりして覚えます。よき師につくことが大切です。
練習なしで目視から学ぶ…難しいですね。
本当に繊細なお仕事だと感服致します。
私は学会1日目は第2会場での統計と化学熱傷の演題を聴いたあと、第1会場へ移動してワークショップ聴きました。
自分が統計をやっていたので15年後の今はどのような変化がみられるのか知りたくて、統計を聴く事にしています。
今年も会場で先生とお会いする事ができませんでした。残念。