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形成外科に対する想い

 ここ数日の日記を読み返してみました。IBM健康保険組合を厳しく追及しているように感じました。別にIBMのHPに文句があるわけではありません。私が25年以上経験してきた形成外科が正当に評価・理解されていないことに対する怒りです。
  形成外科は英語のPlastic Surgeryを訳して作った日本語です。同じ漢字を使う中国語では、Plastic Surgeryは整形外科です。日本の整形外科は中国語では骨科です。こちらの方がわかりやすいと思います。
 形成外科ってどんな科?と聞かれて、即座に正しく答えられる先生や看護師さんはあまりいらっしゃいません。美容外科と形成外科の違いもはっきりしない方が多いと思います。
 美容整形という日本語があります。美容形成とは言いませんね。簡単に言うと形成外科は健康保険が使える科、美容外科は保険が使えない科です。
 私が形成外科医になった昭和55年には、北海道で形成外科があったのは、北大病院、旭川厚生病院、美唄労災病院、釧路労災病院の4施設だったと記憶しています。
 当時は、北大に北海道中から患者様が集まり、手術を受けるまで3年待ちなんていうのもザラでした。ヤケドで指が動かない患者様、交通事故で顔にひどいキズが残っている方、生まれつきの病気で早く手術を希望されている方などなど…。
 当時は札幌医大でも旭川医大でも形成外科の講義はなく、医学部を卒業しても形成外科とはどんな科か知らない先生がたくさんいました。
 年配の先生でも形成外科を知っている方は少なく、私たちが保険診療をして手術料を請求しても、これは不適切だと査定されたことが何度もありました。
 北大形成外科の先輩は、講演会などを通じて形成外科はどんなにすばらしいかを機会あるごとに啓蒙していかれました。一度でも形成外科のすばらしさを理解していただけると、形成外科に対する偏見はなくなります。
 人間で一番大切なのは心の中身で外見は二の次という意見もあります。でも医学の進歩で外見をよくすることができるようになりました。
 美容外科に保険がきかないのはもっともですが、形成外科に使うお金は決して医療費の無駄遣いにはなりません。外見がよくなれば心もより強くなれます。
 医学生や医師の中には、形成外科をちょっとかじって、お金儲けのために美容外科医になろうという人もいます。
 本物の形成外科医はキズを治すのに命を懸けています。形成外科も美容外科もお金儲けだけを考えていると絶対に長続きしません。

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