医学講座
ニキビと毛
昨日のレーザー研究会は皮膚科の先生も多数出席していらっしゃいました。皮膚科でも『たるみ』や『シミ』の治療をしているところが増えているようです。でも、皮膚科で圧倒的に多いのがニキビ治療です。
悪化したニキビは日常生活に支障をきたしますので、保険適応で治療を受けることができます。私は積極的にニキビ治療はしておりません。難治性のニキビは皮膚科の先生をご紹介しています。内服薬(漢方を含む)や外用薬で治療するのが一般的です。
ニキビの多くは毛に関係しています。毛が生えているところを顕微鏡で見ると、ニキビ性の方は毛穴に皮脂がたくさん詰まっています。皮脂はふつう少しずつ自然に排出され皮膚を潤します。ところが何らかの原因で排出できなくなるると硬くなり、そこにバイ菌がつくと感染して真っ赤なニキビになります。軽度の感染でしたら、抗生物質の内服や外用で治りますが、こじれると治りません。
何ヵ月も赤く硬くなって、いくらしぼっても出てこないニキビは、毛の奥深くで炎症をおこしています。こうなると皮膚科でいくらお薬をいただいても治りません。『肉芽腫(ニクゲシュ)』という状態になってしまったニキビは、麻酔をして顕微鏡で見ながら取り除くと驚くほど快くなります。毛の先にどろどろになった炎症性のかたまりがあります。皮膚科で治療してくれるところは少ないようです。札幌美容形成外科の職員は私が‘治療’しています。ご要望があれば時間がある時にお引き受けいたします。
ニキビは毛穴にある皮脂腺が関係していますので、レーザーで毛を焼くと快くなります。昨日のレーザー研究会でも発表されていました。当院の職員も悩んでいたニキビがレーザーフェイシャルで驚くほど快くなりました。毛がなくなりツルツルになって気分も良いそうです。
札幌美容形成外科にはありませんが、スムースビームというダイオードレーザーでニキビを照射すると皮脂腺が破壊されニキビが快くなります。ただし痛いのが欠点です。自分でしぼるよりはマシだと思いますが、レーザーフェイシャルよりも痛いです。
ニキビで悩んでいる女性は驚くほど多いものです。生理前に悪化するニキビなどは女性特有の悩みです。原因の一つである顔の毛が少なくなると、ニキビもできにくくなります。