医療問題

日鋼記念病院【室蘭】

 平成19年9月27日(木)北海道新聞朝刊の記事です。
 室蘭日鋼病院、循環器医全員退職へ 11月末 “カレス騒動”なお
 【室蘭】医療法人社団カレスアライアンス(室蘭)が経営する日鋼記念病院で、勝賀瀬貴院長を含む循環器科の医師4人全員が11月末に、泌尿器科の医師1人が今月末までに退職することが26日分かった。同病院によると、12月以降の循環器科の診療体制の見通しは立っていない。
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 循環器科は今年8月、心不全の患者への心臓リハビリなどに新たに取り組むために、「循環器センター」を開設したばかり。
 同病院は患者に対し、医師退職の説明や他病院への紹介を始めており、今後の診療体制が決まるまでは初診患者の診療は行わない。
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 現在2人の常勤医がいる泌尿器科へは、北大から出張医1人が派遣され、2人体制を維持する。
 カレスアライアンスの西村昭男前理事長が今月11日に解任されたことに伴って、同病院では西村氏に近い医師を中心に退職の動きが広がっており、既に、消化器科の医師二人が9月末付で、脳神経外科医1人が10月末付で退職届を出している。
 (北海道新聞朝刊より引用)
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 循環器科センターは心臓や血管の専門家が集まって、心筋梗塞や下肢の動脈硬化症を治療する科です。
 7月7日の日記に書いた、時計台記念病院の浦澤先生も循環器センター長です。
 室蘭でははじめての循環器センターで、急性心筋梗塞など命にかかわる急性期の治療ですから、とても残念なことです。
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 病院経営者にとって、一番頭が痛いのが、優秀な医師を採用することです。
 日鋼記念病院循環器センターのような、設備が整った総合病院で働くことは、医師としてはやりがいがあり、腕のみせどころです。
 循環器センターの開設に当たっては、夢と希望を持って、仕事に取り組んでいたと思います。
 日鋼記念病院HPを拝見すると、かなり腕の良い先生を集めていると思います。
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 人にはそれぞれ考えがあり、人生観や道徳観も違います。
 医師は高度の知識と技術を持った‘技能集団’です。
 数十人もの‘先生’を取りまとめるのは、相当の苦労を伴います。
 院長が頭ごなしに命令したところで、担当の先生にそっぽを向かれたらどうにもできません。
 代わりを見つけようにも、高度の技術を持った先生であればあるほど、簡単には見つけられません。
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 今の時代の病院経営は本当に大変です。
 診療報酬という、病院経営の根幹をなす医療収入は、国の方針により毎年下がっています。
 看護師など職員の給与は上げなくては、人が集まりません。看護師が足りないと診療報酬が減ります。
 この数年で一番給与が下がったのが勤務医だと言われています。
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 日鋼記念病院で何があったかわかりませんが、一日も早く正常な診療ができるようになって欲しいと思います。
 病院がゴタゴタして一番困るのは、地域の患者様です。
 日鋼記念病院形成外科には、坂本泰輔(サカモトタイスケ)先生という私の後輩が勤務しています。とても優しくてまじめな先生です。
 西村先生との確執はわかりますが、循環器センターを潰さないでください。

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