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神戸大が美容外科開設

 平成19年9月28日(金)朝日新聞朝刊の記事です。
 神戸大が美容外科開設、国立大学で初 専門医養成へ
 神戸大学は27日、付属病院内に美容外科の専門診療科を新設することを発表した。国立大学で初めての試みだ。社会の高齢化に伴い、美容外科は若い女性だけでなく、中高年の生活の質を高める医療として需要が高まっている。
 だが、今の医学教育の中で学ぶ機会がほとんどなかった。神戸大は専門教育の場を設け、若い医師を育てるとともに、老化と闘うアンチエージング医学の拠点作りを目指す。
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 10月1日に診療を始める。全年齢を診るが、主に中高年のしわやたるみ対策を対象にする。容姿に自信を取り戻すことで、生活や心の張りも戻ってくるという報告があり、高齢者にとって大きな意味を持つからだ。
 現在、美容外科を志す人は、やけどの跡の修復などをする形成外科の経験を基に、試行錯誤で技術や知識を身につけているのが実情だ。技術水準は個人差が大きく、医療被害にもつながっているという指摘がある。
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 神戸大病院では、形成外科の専門医2人が専従し、若い研修医らを交えてチームで診療する。医療保険の適用外で自費診療だが、まぶたの垂れ下がりなど、保険治療の対象と診断した場合は、他の診療科に紹介する。
 責任者の一瀬晃洋(いちのせ・あきひろ)・神戸大医学部講師は「診療だけでなく、手術や処置の安全性、リスクと効果など、美容外科に関する適切な情報を社会に提供します」と話す。
 初診は週3回で、電話予約が必要。問い合わせは神戸大病院(078-382-5111)へ。
 (朝日新聞朝刊より引用)
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 この朝日新聞の記事は何点か誤りがあると思います。
 国立大学ではじめて美容外科外来を開設したのは、東京大学です。東大病院のHPには診療実績も掲載されています。
 東京大学形成外科の波利井清紀 名誉教授(現:杏林大学医学部形成外科教授)が在職中に開設され、吉村浩太郎講師が中心となって診療をはじめられました。
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 大学病院の美容外科外来は、大手美容外科と比較すると、患者数が2桁以上違います。
 東大形成外科HPによると、平成18年度の新患総数は2,052人です。そのうち、美容外科の入院患者数31人、外来患者数33人となっています。
 東大病院ですら、平成18年度一年間で入院と外来を合わせても64人です。吉村先生という、トレチノインの権威がいらしてもこの数字です。一般病院の美容外科でしたら倒産です。
 早くから、美容外科外来をはじめた、昭和大学、北里大学ですら、患者数は多くないと聞きます。
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 大学病院で美容外科を担当する‘先生’はどこで美容外科を習得するのでしょうか?
 大部分の‘先生’は、民間で開業している美容外科や形成外科へ行って、美容外科手術を習得します。
 形成外科医は眼瞼下垂症手術などは得意ですから、手術のアルバイトに行って、ついでに他の手術も覚えることもあります。
 国立大学では、おおっぴらにアルバイトに行くことは禁止されていますから、土日の休みなどを利用することもあります(厳密に言うと土日でもバイトは禁止ですが…)。
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 大学病院で美容外科診療をしようとすると、料金も大学の規則で決めなくてはいけません。
 市立病院や公立病院では、条例で料金を決めなくてはならない場合もあります。
 美容外科で普通に使っている、厚労省が認めていないコラーゲンやヒアルロン酸も使えません。
手術を決めて、麻酔科に麻酔を依頼すると、自由診療だからと麻酔科から断られることもあります。
 さまざまな制約を受けるのが大学病院の美容外科です。
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 ただ、全国的に見ると、国立大学でも形成外科を形成外科・美容外科とするところは増えています。
 医学部の学生が美容外科手術を見学したいと願っても、なかなか実現しません。普通の美容外科でしたらまず断られます。
 医学部の教育の中で、美容外科が一般化するには、形成外科が普及した以上に時間がかかると思います。
 日本の医学部・医科大学の中には、形成外科すらない医育機関がまだかなりあります。

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