昔の記憶
劔物 修(けんもつおさむ)先生のご逝去を悼む
先日の院長日記にコメントをいただき、
麻酔科の劔物修先生が
平成23年3月28日(月)にご逝去されたことを知りました。
葬儀は密葬にて執り行われたそうです。
心からご冥福をお祈りしています。
最後にお会いしたのは、
奥様の弘子様の追悼コンサートでした。
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北海道大学のHPにお知らせがありました。
訃報
名誉教授 劔物 修氏は,昭和15年に東京に生まれ,疎開先の小樽で幼少期を過ごされました。昭和39年に札幌医科大学を卒業され,昭和51年に札幌医科大学助教授,同52年に旭川医科大学助教授,同54年に北里大学助教授,同56年にアイオワ大学客員教授,同59年に東邦大学教授,そして,同60年に北海道大学医学部麻酔科学講座教授に就任されました。平成15年3月同大学を定年退職され,その後,北海道社会保険病院等で顧問として活躍されておられました。
臨床面では,北大病院での全身麻酔件数を国立大学病院で全国トップクラスの件数に押し上げられ,北海道ならず全国の外科医療のために多大な貢献をなされました。とりわけ,北大病院での集中治療部の開設,ならびに救急部の発展には多大な尽力をなされました。研究面では,心臓麻酔,救急・集中治療,疼痛治療など多岐に渡り,多くの業績を残されました。平成8年には,これらの業績に対して,北海道医師会賞を受賞されています。教育面でも100人近い麻酔指導医を育てられました。
学会では多くの会長や理事を歴任され,平成14,15年には日本救急医学会総会と日本集中治療医学会総会を相次いで主催されました。海外での活躍もめざましく,平成2年には,日本人では初めて,Fellow of American College of Critical Care Medicine(FCCM)に選ばれました。また平成4年からはアジア心臓麻酔学会会長を務めておられました。
最近では,ガン治療推進のためにも尽力されました。札響によるガン治療推進チャリティーコンサートの開催とその収益金の医学研究科への寄付,さらに医学研究科及び北大病院においてガン研究に携わる優秀な若手研究者を育成するHIROKO基金を設立された矢先でした。
現在,日本は大震災という大きな国難に直面し,私たち医療人,特に麻酔や救急に携わる者は,災害救援や復興の牽引者としての役割が求められております。この分野の日本の先駆者かつリーダーでもあった劔物氏を,まさにこの時に失ったことは,誠に惜しみてもあまりある痛恨の極みであります。
最後に,これまでのお導きに感謝し,謹んでご冥福をお祈り申し上げます。
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とても残念に思っています。
72歳はまだ若すぎます。
退職後も麻酔をかけていらしたと、
他の先生から伺っていました。
痩せてスマートな先生でした。
眼鏡の奥の厳しい目が…
とても優しい目だったのを覚えています。
心からご冥福をお祈りしています。