昔の記憶

朝日新聞_天声新語から②

 朝日新聞の読者が書いた
 【天声新語】の続きです。
 今日は2つ目の優秀作です。
 作者はなんと高校生の女の子です。
 すごいです。
 大学生でもこれだけ書ける人はまれです。
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 天声
 優秀作(冨永格論説委員選)
 広島市安佐南区 高校生 森岡真菜さん(18)
 精神分析学者フロムの主著に「自由からの逃走」がある。自由を獲得した人間が、束縛からの自由がもたらす孤独や不安に耐えきれず、自由から逃走するというものだ。日本でも、投票率の低下や若者の政治離れなど、民主主義という自由からの逃走をよく見かける。
▼昨年起こった東日本大震災では、原発事故や被災地に対する政府の対応に、国民はいらだちを覚えただろう。異常な放射能の値については「人体に影響はない」の一点張り、視察に行った大臣は被災地を「死の町」と言った。
▼今、人々はこの現状に立ち向かうために、新たな挑戦をしている。国民は脱原発を訴え、原発がある自治体と計画中の自治体の一部は、原発交付金をもらうことを拒絶した。人々が新しい世の中を作るために動き出した。阪神淡路大震災の年をボランティア元年と呼ぶなら、東日本大震災の年を挑戦元年と呼びたい。
▼挑戦元年は、日本だけでなく世界にとっても挑戦の年であった。リビアでは、独裁者のカダフィ氏を倒し新たな政府を作り始め、アメリカでは、格差社会に不満を持つ人々がウオール街を占拠し、その行動が世界に広がった。
▼日本をはじめ、世界各地に人々の「新しい世の中」を求める声が上がっている。これは一種の自由を求める声であるといえよう。もう、「自由からの逃走」の時代は終わったのだ。
▼「新しい世の中」を求めて新たな挑戦を始めた私たちを、ぜひフロムに見てもらいたい。「自由からの逃走」ではなく「自由への奔走」をしている姿を。
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 ――受賞者から
 世界のうねりフロムに絡め
 新聞で募集を知り、私も受験に挑戦していたので、応募しようと決めました。
 日本では去年、東日本大震災が起き、中東・北アフリカでは民主化運動が進み、ウオール折からは「格差社会」への抗議行動が世界に広がりました。すごい勢いで世界中が動いていることを実感していました。
 フロムの「自由からの逃走」は、倫理の授業で習いました。これらのことを絡めて書くことにしましたが、書きたいことがまとまらず、下書きを繰り返し、受験勉強の合間を縫って仕上げました。
 多くの方の中から私の作品が選ばれて、とてもうれしいです。先生からは 「天声人語を読んだり、書いたりすると集中力がつく」と言われ、年明けから毎日書き写しています。4月からは大学生。小学校の先生をめざします。子どもたちに新聞の良さを伝えていけたら、と思っています。
 講評
 筆はやや硬いが、しっかり時事コラムになっています。政治に背を向けたかに見えたた大衆が原発事故で目覚めた日本。世界でもアラブの春、ウォール街占拠と「自由への奔走」が始った、という前向きの視点が若者らしくて好感を持ちました。
 (論説委員・「天声人語」筆者 冨永格)
 (以上、朝日新聞より引用)
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 私がこの天声新語を取り上げたのは、
 若い人に…
 新聞を読んでほしいからです。
 新聞の活字からは、
 ネットにはない情報が伝わります。
 紙面はどんなPC端末より見やすいです。
      ■         ■
 新聞は一度に目に入る情報量が違います。
 若い医師や看護師にも…
 新聞を読んでほしいです。
 優秀な成績で国家試験をパスしても…
 患者さんと上手に会話ができない医師がいます。
 マークシート式の国家試験に合格しても…
 患者さんに紙に書いて説明できない【先生】もいます。
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 高校生で、
 これだけの文章を書けるのは素晴らしいことです。
 私が毎日、院長日記を書けるのも…
 高校生の時に…
 現代国語の先生から…
 新聞を読むことをすすめられたからです。
 私は成績優秀者ではありませんでしたが…
 札幌西高校で…
 一番得意だったのが【現代国語】でした。
 担当だった教頭の林先生に感謝しています。

受賞者、森岡真菜さん
(朝日新聞より引用)

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