院長の休日
朝日新聞_天声新語から③
朝日新聞の読者が書いた
【天声新語】
入選作です。
福島県須賀川市 主婦 浅見美奈子さん(50)
「このきれいな夕日がずっとみられたらいいね」「50年先だって夕日はきれいだよ」。これは「ALWAYS三丁目の夕日」のラストシーン、親子の会話である。数年前、映画でこのシーンを見た時は家族の小さな幸せに胸熱くした。
▼しかし、先日、同じ映画を見たところ、このなんでもない小さな願いが、いかにすばらしい願いか、そして、それが、もろくも崩れることがあるのだと、福島にいて重く感じている。
▼原発事故が起きて1年たつが、いまだに除染が進まない。放射能を含んだ土、植物の仮置き場、中間貯蔵施設が決まらない。それが決まらないから除染ができない。除染ができないから故郷へ戻れない。福島は答えのきわめて出にくい問題に直面している。どうすればいいのか。
▼こんな時、幼稚な発想だが、ウルトラマン世代の私は、ウルトラマンに頼りたくなる。汚染された物を地球の外へ持っていってほしくなる。しかし、すぐにこれは、人間のエゴだと気づく。
▼人間が作り出した原発の汚染物は地球で処分し、手にあまる原発は人間がなだめ、全て廃炉へ持っていくべきだと考える。理想論かもしれないが、福島にいる私にとっては、この答えしか考えられないし、出せない。
▼「三丁目の夕日」の一平君(息子)の言った「50年後の夕日」の約束は、大人の一人として守らねばならない。福島の原発事故、放射能への挑戦は、これからも続く。日本、いや世界中の科学者の良心の赤い灯にも似た真っ赤な夕日を取り戻すまで。
(以上、朝日新聞より引用)
■ ■
福島県に住む人にとって、
実に深刻な問題です。
50年後には…
私は生きていませんが…
自分たちが生きている間に、
何とか英知を集めて解決したいです。
■ ■
今の私には何もできませんが、
自分たちの子孫に、
負の遺産を残したまま…
死にたくはないです。
何とか自分たちが生きている間に、
美しい国を取り戻したいです。