医学講座

「女性は降りて」のアナウンス

 平成30年4月6日、朝日新聞朝刊、天声人語です。
 「女性は降りて」のアナウンス
 もしも、こんなアナウンスがあったら……。「機内に急病の方がいます。お客さまの中に、お医者さまはいらっしゃいますか。ただし男性のお医者さまに限ります」。そんなばかな。しかし実際、似たようなことが起きた。相撲の土俵で。
▼ところは京都府舞鶴市、大相撲の春巡業である。あいさつしていた市長が倒れ、客席から看護師の女性が土俵に上がり心臓マッサージを施した。称賛すべき行動だと思うが、行司はマイクで「女性の方は土俵から降りて下さい」と制した。3回も。
▼「不適切な対応だった」と日本相撲協会の責任者が謝罪している。「土俵は女人禁制」の伝統に縛られず、柔軟に対応すべきだったと言いたいのだろう。ただ、相撲協会こそ自らを伝統に縛り付けてきたのではないか。
▼女性官房長官が内閣総理大臣杯を手渡したいと言った時も、女性知事が知事賞の授与に意欲を示した時も、協会は「どうぞ土俵の上に」と言わなかった。一方に例外なしで守られてきた伝統があり、一方に緊急事態があった。間に挟まれ動転した行司の心理も分からなくはない。
▼江戸時代は女性の相撲観戦には制限があり、自由に見られるようになったのは、明治期以降である。伝統は固定したものではなく変わりうる。そういえば記紀に初めて「相撲」の文字が登場するのは、日本書紀にある女同士の対戦だそうだ。
▼女性首相が誕生したら、内閣総理大臣杯の授与はどうするのだろう。気持ちが動転する前に、考えておいた方がいい。
(以上、朝日新聞より引用)

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 この問題にいち早くコメントされたのが、
 私が尊敬する美容外科医の高須克弥先生です
 高須院長、大相撲の不適切アナウンスにツイッターで思いを明かす
 美容外科「高須クリニック」の高須克弥院長(73)が4月5日、自身のツイッターを更新し、京都・舞鶴市での大相撲春巡業中に行司が不適切なアナウンスをした事に自身の見解を示した。
 この日の巡業では多々見良三・舞鶴市長が土俵上でのあいさつ中に倒れ、救命措置の協力のために、医療関係に従事すると思われる女性が土俵に上がったが、女人禁制の慣例がある土俵から降りるようアナウンスが流れていた。
 好角家として知られる高須院長はツイッターで「相撲関係者の方々が女子禁制の土俵の神聖さを守りたい気持ちはわかります」と示した上で「僕は医者の義務を守りたいので男子禁制の場所でも要請があれば入り込みます」と記していた。

(以上、2018年4月5日、スポーツ報知より引用)

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 今日、4月6日は家内の父親の命日です
 平成5年4月6日に64歳で亡くなりました。
 兵庫県三田市のゴルフ場で、
 急性心筋梗塞で亡くなりました。
 人はある日突然具合が悪くなることがあります。
 土俵に上がって、
 心臓マッサージをしたくださった、
 女性に感謝です。
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 女性の方は土俵から降りて下さい
 …と3回も言われたのに、
 心臓マッサージを続けられた、
 女性に拍手です。
 医療現場に圧倒的に多いのが女性です。
 女性の活躍なしには、
 医療は成り立ちません。
 私は女性の市長、
 女性の知事、
 女性の内閣総理大臣が、
 堂々と土俵に上がれる日が、
 一日も早く来ることを願っています。

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