医学講座
悪魔フィリング
今日は2022年5月24日(火)です。
昨日の院長日記、
アクアリフト除去は美容外科クリニックでは無理
…の続きです。
私は一人の形成外科医として、
アクアフィリング豊胸だけは禁止してほしいです。
悪魔フィリングです。
■ ■
私が悪魔と呼ぶ理由は、
女性として人生で一番しあわせな時期に、
突然感染症が起こるリスクがあるからです。
赤ちゃんを産んで、
眠る時間もなくなって、
懸命におっぱいをあげている女の人に、
突然、高熱と乳房の炎症が起きます。
■ ■
豊胸したことすら忘れている時期です。
まさか、
昔、〇〇スキンクリニックで受けた、
98%が水で安全な注射が、
授乳中に悪さをするなんて考えません。
ネットで調べて、
乳腺炎や乳房炎を疑います。
赤ちゃんには粉ミルクをあげます。
■ ■
アクアリフトの健康被害
第62回日本形成外科学会(札幌)では、
帝京大学医学部形成外科から
●乳房増大目的に注入された非吸収性充填剤による重篤な合併症の治療経験
2例の症例報告がありました。
聖路加国際病院ブレストセンターから
●授乳期乳腺炎を契機にアクアフィリングによる豊胸術後感染をきたした3例
3例の報告がありました
こんな学会発表があることを知っていたら、
アクアリフトなんて受けません。
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2017年の日本美容外科学会の調査によると、
2017年度、わが国の豊胸術は、46%が充填剤注⼊による豊胸術
• 回答者の半数以上(55%)に合併症症例の経験あり
– その内、約40%がアクアフィリングによる合併症を経験
– ヒアルロン酸・その他の充填剤注⼊による合併症も46%経験
• 症状は、腫瘤が最も多く、感染、⽪膚変化、変形、炎症が続く。
• 原因となる内容物は、⾮吸収性充填剤が全体の4分の3を占め最も多く、中でもアクアフィリングが多かった。
• 注⼊後、1年内の発⽣は1割程度で、5年以上経過して発症するものが5割以上あり、⻑期的なリスクがある。
とても残念なことです。
これから出産・授乳の可能性がある人は、
絶対にアクアリフトは受けないでください。
悪魔リフトです。