医学講座
簡単ではないヒアルロン酸注入
今日は2022年6月28日(火)です。
商業主義が生んだヒアル顔
きびしいことを言うと嫌われます。
67歳の形成外科医が言うことです。
聞きたくなければ無視してください。
手術以外の『切らない治療』は、
実は難しいです。
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ヒアルロン酸製剤の添付文書です。
重大な有害事象
血管障害
血管内への誤注入又は局所的血管圧迫の結果、
白変、変色、水疱様の事象、壊死又は潰瘍として現れる
注入部位又は血流の供給を受けている部位の虚血が生じることがある。
ごくまれに遠位部の塞栓による虚血が
一過性の視覚障害、失明、脳梗塞につながることがある。
鼻形成術や他の顔面手術を受けた患者では
局所の血管系の変化により、
こうした事象を生じるリスクが高い。
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ヒアルロン酸を美容目的に使うのは、
一部の歯科医院でも行われています。
歯科医師免許で、
頬のたるみを治すのが合法かどうか?は、
厚生労働省に聞くことにして、
残念なことにお気の毒な患者さんがいます。
そもそも、
ヒアルロン酸で血管閉塞が起きるようになったのは、
深い部位へ、
より多くのヒアルロン酸を注射するようになってからです。
■ ■
壊死になった鼻を治すのは難しいです
こんなことになるなら、
ヒアルロン酸なんて打つんじゃなかった!
…と後悔しても、
壊死になってしまった鼻を、
元に戻すことはできません。
後悔しないように気をつけてください。
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ヒアルロン酸注射なんて、
誰がやっても同じ
どうせやるなら、
一円でも安いところで、
たくさん注射してもらおう!
こんなお客さんがいます。
お気持ちはわかります。
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でも、
美容外科や、
美容皮膚科など、
頭に♡美容♡の2文字がつくクリニックは、
【要注意】です。
ちゃんと勉強をしていない、
なんちゃって医師がいます。
高級優遇の4文字に惹かれて、
昨日まで美容のびの字も知らなかった医師が、
いきなり♡美容皮膚科♡になることがあります。