医学講座
重症熱傷と培養表皮
2010年5月23日の日記へ、
コメントとしてご質問をいただきました。
ご質問の要旨は…
重症熱傷で自家培養表皮を移植するのと
移植しないのとでは
治療期間に差が出るか?
という内容です。
■ ■
自家培養表皮については、
株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング
略称:J-TEC(ジェイテック)
再生医療製品事業の
ページに詳しく書かれています。
治療期間の短縮についても、
同社に問い合わせていただくと…
エビデスンのある論文を紹介してくれると思います。
■ ■
私の院長日記でも、
何度か紹介したことがあります。
PCでも携帯でも、
日記内の検索ができます。
【培養表皮】→【検索】
と押していただくと…
培養表皮が入った日記が出ます。
【わきが】→【検索】もできます。
■ ■
ここから先の文章は、
私の私見(個人的な意見)です。
エビデンスもないし、
偏見があるかもしれません。
参考意見として聞いてください。
自分の身内(子どもや孫など)が
大やけどをしたら…
どんなことをしても助けたいと思います。
■ ■
助かるか…?
助からないか…?
運命の分かれ道は…
搬送先の病院によります。
(高度)救命救急センターで、
救急医と形成外科医が…
協力して仕事をしていて、
看護師などが慣れている病院です。
■ ■
東京女子医大形成外科のように、
形成外科単独で…
素晴らしい治療成績の大学もあります。
担当になった…
先生によっても…
助かるか助からないかが決まります。
有名大学⇔救命率が高い
という法則は当てはまりません。
■ ■
今、注目の培養表皮です。
私は培養表皮よりも、
屍体からの皮膚移植が…
救命率も治療期間も…
向上すると考えています。
Ⅲ度熱傷面積が50%だったら、
まずスキンバンクの利用を考えます。
培養表皮はその後です。
■ ■
何回か書きましたが、
札幌医大附属病院で…
有名なコンスタンチンちゃんを助けたのは、
旭川赤十字病院形成外科の阿部清秀先生と
当時、札幌医大麻酔科にいらした、
岡山大学救急医学講座教授の
氏家良人先生のチームでした。
■ ■
自家培養表皮移植は、
優れた再生医療です。
ただ…
2010年5月25日現在では、
救命率や
治療期間の短縮には
スキンバンクの屍体皮膚が有用です。
私は死後に…
自分の皮膚を提供します。
ドナーカードも持っています。
スキンバンクに対する認識が深まってほしいです。
“重症熱傷と培養表皮”へのコメント
コメントをどうぞ
平成16年12月28日に署名した臓器提供意思表示カードを見ています。いつも免許証入れにいれて持ち歩いています。()のその他に皮膚と書いておけばよいのですね。先生のblogを読むまで 熱傷の治療についてまったくわからなかったので、皮膚とは書いてありませんでしたが、書き直して皮膚と書いておきます。私も死後、自分のどこかの部分でも人様のお役に立ち、自分の組織が生き続けるのであれば、と思い、同じ思いの長男と署名しあいました。息子は()に皮膚と書いてあります。ただ 私は脊髄バンクにだけは登録できません。家族でも 思いは様々です。
私もドナーカードに皮膚と書いてあります。他の臓器は自己免疫性疾患があるため残念ながら提供する事が出来ません。
来月の日本熱傷学会で先生にお会い出来るのを楽しみにしています。
荻野利彦教授裁判 今日最終になると思っておりましたが、8月24日 結審することが決まりました。あとは裁判長の判断と 勝訴を祈念するばかりです。
最後まで 荻野先生の応援よろしくお願い致します。
本間先生 ありがとうございました。