二重・眼瞼下垂
眼瞼下垂の再発③
形成外科医が得意とするのは…
縫合法(ほうごうほう)です。
つまり糸で縫うことです。
患者さんがご覧になっても、
丁寧に…
ミシンで縫ったように…
細かく縫っていあるのが見えます。
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もちろん…
皮膚表面を丁寧に縫うのも大切ですが、
それより難しいのは…
抜糸しない糸で縫う…
真皮縫合(しんぴほうごう)とか…
下縫い(したぬい)と呼ばれる縫合です。
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どの部位を…
どんな糸で縫うかは…
傷をきれいに治すポイントになります。
瞼の皮膚はとても薄いので、
通常は真皮縫合をしません。
下手に縫うとごろごろしてしまいます。
その代わり…
筋層を縫うことはあります。
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まぶたには、
眼輪筋(がんりんきん)という…
目を閉じるための筋肉があります。
薄い筋肉です。
お腹や胸には、
皮膚の下に脂肪層がありますが、
まぶたは皮膚の下がいきなり筋肉です。
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眼瞼下垂の原因になる筋肉は、
眼瞼挙筋(がんけんきょきん)です。
まぶたの奥深いところにあります。
眼瞼挙筋は…
眼輪筋よりも薄い筋肉です。
筋肉というより…
膜(まく)のように見えます。
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手足の筋肉がケンタッキーなら、
眼瞼挙筋はぎょうざの皮です。
私たちは、
穴が開いたぎょうざの皮を、
髪の毛みたいに細い糸で、
丁寧につくろいます。
丸いぎょうざの皮が、
変形しないように…
左右対称になるように縫います。
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まぶたを縫う糸は、
形成外科では一番細い糸を使います。
眼瞼挙筋を縫う糸も、
細い糸を使います。
ごろごろしないためです。
丁寧に治しても…
細い糸で縫ってあり、
もともと弱いぎょうざの皮は…
無理をするとすぐに破れます。
これが再発する原因のひとつです。