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白い恋人
私は毎年3月14日のホワイトデーに、白い恋人を従業員に贈っています。昔、家内の実家を訪ねる時にもよく白い恋人を買っていました。
韓国の学会に招待された時のお土産も白い恋人です。
韓国には白い恋人のような美味しいお菓子がないそうで、とても喜ばれていました。
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北海学園大学のニトリ講座で石水社長の講義をお聴きしました。
石屋製菓は、現社長のお父さんが札幌市北区茨戸(バラト)近くで、水飴(ミズアメ)を作るお菓子屋としてはじめたそうです。
終戦後の甘いものがなかった時代に、水飴はよく売れ、その後は駄菓子を製造し販売していたそうです。
一時期は駄菓子もよく売れたましたが、時代とともに売れなくなり、試行錯誤の上に石水社長が作られたのが、クッキーとホワイトチョコを挟んだ白い恋人でした。
苦労して作ったお菓子ができた時の喜びを講義でお聴きしました。
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フランスのグルノーブルで開かれた冬季オリンピックの記録映画の音楽が‘白い恋人たち’でした。フランシスレイという作曲家の映画音楽で、昔のスキー場ではよく流れていました。
白い恋人の発売前にヒットしていた北海道のお菓子に、当時の帯広千秋庵(現六花亭)が作ったホワイトチョコがありました。
帯広でしか買えないという希少価値と、フキノトウの包装紙に包まれた白いホワイトチョコが人気でした。
石水社長はこのホワイトチョコとクッキーのミックスを考え試行錯誤を続けたそうです。
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白い恋人のネーミングは、ちょうど初雪が降ってきた頃にお菓子が完成し、石水社長のお父さんが、『白い恋人たちが降ってきた』と言われたのがきっかけだと伺いました。
体育会系の石水勲社長が、お菓子を持って千歳空港の全日空カウンターへ行き『このお菓子を機内で配ってください』とお願いしたのが成功のはじまりだったというのが有名です。
この時に、全日空の担当者が会社を見せてくださいと言われ、工場の見学にいらしたそうです。
全日空から製品の衛生管理などに改善を求められ、これがきっかけとなって石屋製菓の体制が変わったと講義でお聴きしました。
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昨日、うちの職員に『来年のホワイトデーはどうしようか?』と尋ねたところ、
『白い恋人は美味しいので、また白い恋人がいいです』と言ってもらいました。
今回の事件を契機にして、是非、石屋製菓を立て直して欲しいと願っています。
新しい社長は、北洋銀行から慶応大学卒の重役さんがいらっしゃるそうです。
経営は銀行からいらした社長に任せて、新しい白い恋人を作っていただきたいです。
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昨日まで順調だった企業も何が起こるかわからない時代です。
新しい白い恋人には、‘白い恋人ライト’などの、カロリーが低くて美味しい製品を追加していただきたいと願っています。
カロリーが低くて、味がよくて、食べても太らないお菓子は絶対に売れます。
白い恋人というネーミングも好きです。白い恋人が一日も早く立ち直って欲しいと願っています。
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講義でお会いした時の石水社長は、お嬢様がご結婚なさってとても嬉しそうでした。
今は人生で最悪の時かもしれませんが、また一人のお菓子職人として、美味しいお菓子を作ってください。
銀行マンに経営再建はできても、お菓子は作れませんから…。