医療問題

培養皮膚1000万円

 平成19年8月24日(金)の朝日新聞朝刊に、培養皮膚の記事が出ていました。6月8日の熱傷学会③の日記で紹介した製品です。
 以下は朝日新聞の記事です。
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 「培養皮膚」の製造販売を承認
 再生医療、初の商業化
 厚生労働省の医療機器・体外診断薬部会は23日、愛知県の企業が申請していた「培養皮膚」の製造販売を承認した。
 重症やけど患者自身の組織から作った皮膚のシートで、患部に移植して治療する。病気やけがで失った体の一部を再生させる目的でヒト細胞や組織を使った製品が国内で承認されるのは初めて。再生医療が国内でも商業化の段階に入った。(岡崎明子、田村建二)
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 申請していたのは、ベンチャー企業「ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング」(J-TEC)。9月末にも開かれる薬事・食品衛生審議会薬事分科会を経て、正式に承認される。
 培養するのは、皮膚の一番外側の「表皮」と呼ばれる部分。損傷していない皮膚組織を1平方センチほど採取して表皮細胞を分離し、マウスの細胞を加えてウシの胎児血清で培養する。約3週間で、8×10㎝の表皮シートが十数枚できる。これを病院に出荷し、医師が患部に移植する。
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 重症やけど患者は、全国で年間4,000~5,000人ほど。やけどが大きい場合は自分や家族の皮膚などを移植することが多いが、自分の皮膚は足りなかったり、他人の皮膚だと拒絶反応が起きたりする問題がある。
 培養皮膚はこれらをクリアでき、3日~1週間で自分の皮膚として生着するという。J-TECは皮膚の培養のほか、出荷検査、輸送までを請け負う。販売価格は現時点で1,000万円ほどの見込みで、今後、公的医療保険適用の申請を行う。
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 同社は99年、名古屋大の技術協力などを得て設立。培養皮膚は02年から国内2施設で臨床試験を行い、04年10月に製造販売を承認申請していた。
 再生医療は90年代後半からベンチャー企業などが製品開発に取り組んできた。しかし、脳外科手術でヒト乾燥硬膜の移植を受けた人がクロイツフェルト・ヤコブ病に感染する被害が社会問題化したことなどから、厚生省(当時)は00年に規制を強化。審査や安全性の確認に時間がかかるようになった。培養皮膚以外では現在、2製品が臨床試験の段階まで進んでいる。(朝日新聞、2007年8月24日から引用)
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 培養皮膚は大学病院の形成外科で10年以上前から作られていました。日本で一番最初に培養表皮移植に成功したのが、聖マリアンナ医科大学形成外科の矢永博子先生でした。
 現在は北九州市小倉北区で医療法人風の会 矢永クリニックを開業なさっていらっしゃいます。私は矢永先生が日本で一番キレイな培養表皮を作成できる先生だと思います。
 矢永クリニックのHPには培養表皮によるニキビ痕治療が紹介されています。
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 矢永先生の培養表皮がおいくらか?私は存じませんが、J-TECよりかなりお安いと思います。
 今から10年くらい前に、米国のベンチャー企業が培養表皮の製造販売をしていました。日本にも宣伝に来ていました。
 当時で約100万円でしたが、保険も効かず高すぎて使えませんでした。そのベンチャー企業はその後広告も出していませんし宣伝にも来ていません。
 J-TECが開発から承認までにかかった費用を積算すると、1,000万円になるのだと思いますが、高すぎます。
 厚生労働省は、もう少し早く承認できるようにするべきです。学会で一般化してから10年以上たっています。
 体力がないベンチャー企業は倒産してしまうし、新しい企業は育ちません。

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