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カゼ薬でシミを治す
平成19年8月23日(木)の北海道新聞朝刊に、しみ改善に効能。第一三共来月発売、初の厚労省承認薬品という記事が出ていました。
以下は北海道新聞の記事です。
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第一三共ヘルスケア(東京)は22日、しみの改善につながる成分を配合した医薬品「トランシーノ」を9月4日に発売すると発表した。
30‐40代の女性のほおなどに見られるしみの一種「肝斑」に対する効能について、日本の医薬品で初めて厚生労働省から承認を受けた。
肝斑は女性ホルモンの乱れなどが原因と考えられおり、トランシーノは有効成分のトラネキサム酸などを配合した。錠剤になっており、一日に6錠を約2ヵ月間、服用する。
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一瓶が180錠(約1ヵ月分)入りで、希望小売価格は5,880円。会見した井手口盛哉社長は「トランシーノブランドの商品追加も考えたい」と述べた。
広告に人気ヘア・メーキャップアーティストの藤原美智子さんを起用。本年度の出荷額は30億円を目指す。
以上が北海道新聞の記事です。8面の経済欄に載っていました。
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この記事だけを読むと、‘すごい薬が出た’、‘世紀の大発見’と思われる方もいらっしゃると思います。
経済面ですから、第一三共の株を購入したら値上がり間違いなし?と思う方もいらしたと思います。
実は、このお薬は、ずっと昔からある薬です。厚生労働省の承認も得ています。薬価(病院で請求するお薬の価格)は250mgで一錠12円です。ジェネリック品だともっと安い製品もあります。12×180=2,160で薬価だと180錠で2,160円です。5,880-2,160=3,720円は広告宣伝費ともうけです。
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この記事は、あたかも世紀の大発明のように思えますが、‘オチ’があります。
それは、しみの一つである‘肝斑’に対して一般医薬品(薬屋さんで買える薬)として承認を得たということです。
お薬は、効果があることがわかっていても、厚労省が‘承認’しないと宣伝できません。このお薬は‘肝斑というしみに効きます’とお墨付きを得たのというのが今回の目玉です。
皮膚科医や美容外科医の間では、肝斑にトラネキサム酸が効くことは昔から常識でした。
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トラネキサム酸はカゼでのどが痛い時に、内科や耳鼻科の先生が処方してくださいます。
トランサミンというのが一番有名な商品名です。札幌美容形成外科にはニコルダという製品があります。
トラネキサム酸はすべてのしみに効くのではありません。肝斑というしみにしか効きません。見分けるのは専門医でも難しい場合があります。
ほほに左右対称に出る薄いしみが肝斑です。かぜ薬が残っていたらチェックしてください。しみが治る可能性があります。