医学講座

カバーマーク

 生まれつき顔に大きなアザがある子供さんがいらっしゃいます。日本人だけではなく、西洋人にも同じようなアザができます。
 1928年にニューヨークのリディア・オリリー夫人が「カバーマーク」という化粧品を発明しました。
 日本では1960年に発売されました。大学病院の皮膚科や形成外科では、アザがある子供さんにカバーマークをお薦めしていました。
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 現在はグラファ ラボラトリーズ株式会社から、カバーマークオリジナルという商品名で販売されています。
 デパートで売っているカバーマーク化粧品とは別の製品です。
 カバーマークオリジナルは、練りタイプのファンデーションです。基本色12色と調整色6色があります。
 これらの色から肌色に合わせて選び、合わない時は混ぜて調整することが可能です。
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 もともと子供さんのアザを隠すために開発された商品です。長時間塗っていても、色が落ちないのが特徴です。
 子供さんの柔らかい肌にも優しく作られているため、アレルギーが少ないのも優れた特徴です。
 このカバーマークのもう一つの特徴は、SPFが50という値の遮光効果です。一度塗ると落ちないので、遮光効果が高く、シミを隠すのにはもってこいです。
 レーザーでシミをとっても、赤みがある間に紫外線に当てると、シミがかえって悪化します。PIHという色素沈着です。
 カバーマークを塗っていると、シミや赤みを隠せるだけではなく、紫外線を防御できますので、再発防止にもなります。
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 レーザーが開発される前は、顔半分が真っ黒になるアザでも治せませんでした。
 Qスイッチレーザーというレーザー機器が発明されて、アザの治療は飛躍的に進歩しました。
 レーザーで治療しても、すぐに普通の皮膚になるわけではありません。一時的に赤くヤケドをしたようになります。
 この時に役立つのがカバーマークです。
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 自分自身の顔に大きなアザがあったリディア・オリリー夫人が開発したカバーマークは、優れた‘医療材料’だと思います。
 私が25年以上前に、はじめて見たカバーマークのインスタラクター(マークアーチスト)の方も、ご自身の顔に大きな太田母斑という黒いアザがありました。
 カバーマークをつけていると全くわかりませんでしたが、私たちの目の前でカバーマークを落とすと、黒い大きなアザが出ました。
 それを上手にカバーマークで隠すのは手品を見ているようでした。
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 メディカルメイクというNPO法人もあるようです。手術やレーザー治療をしないでキズを隠すメイクもあります。
 カバーマークオリジナルは、デパートの化粧品売り場では販売されていません。
 特定の美容室で扱っていらっしゃいます。札幌美容形成外科でも一部の製品を販売しています。グラファ ラボラトリーズ株式会社のHPからも購入できます。

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