医療問題

裁判傍聴のすすめ

 2008年10月8日に…
 裁判の傍聴という日記を書きました。
 弁護士の高橋智先生が担当されている、
 医療訴訟の公判を傍聴しました。
 被告は札幌の公立学校法人でした。
 大学病院で行われた手術の結果…
 手術前よりも症状が悪化したという医療訴訟でした。
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 私は北海道内の総合病院に、
 25年間、形成外科医として勤務しました。
 幸いなことに…
 私自身は訴えられたことはありませんが、
 医療訴訟がない病院はありませんでした。
 他科の訴訟で、
 病院が和解金を払ったとか…
 他の先生が訴えられたので…
 私が書類を準備したことがありました。
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 医療は…
 どんなに気をつけていても…
 必ず事故が起きます。
 いかに事故を回避するか…
 同じような事故を起こさないようにするか…
 一番大切なことは…
 他人の失敗から学ぶことです。
 残念なことですが、
 自分がした失敗
 発表する先生はいません。
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 山形大学の事件は…
 医療事故の責任を…
 執刀医の上司である、
 荻野利彦先生一人になすり付けた点、
 事故が起こった根本原因を…
 病院側も大学側も…
 まったく改善していないところに…
 問題があります。
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 山形大学医学部に…
 形成外科の診療体制ができていれば…
 事故は起こらなかったと思います。
 患者さんが…
 皮膚科病棟ではなく、
 整形外科病棟に入院していれば、
 後遺症が少なかった可能性があります。
 一人しかいない形成外科専門医を、
 大学が、
 都合のいいように使ったために起きた事故です。
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 医療関係者にとっては…
 医療事故が起こった場合の、
 報告義務。
 担当医や、
 執刀医の上司と、
 患者さんが入院していた、
 所属科のリスクマネージャーや
 診療科長の責任範囲など、
 実に興味深い事件です。
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 過去の懲戒事例と比べて、
 荻野利彦教授だけが、
 不当な扱いを受けたことも、
 見逃してはならない争点です。
 現職の教授でも、
 いつ何時…
 紛争に巻き込まれて…
 職を失うかわかりません。
 失業を経験した者にしかわからない、
 無念さがあります。
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 お医者さんは失業しない、
 大学教授は失業しない、
 …というのは幻想です。
 自分もいつ医療事故を起こすかわかりません。
 自分もいつ失職するかわかりません。
 事故が起きた時にどうするか…?
 事故後の報告義務や対応をどうすべきか…?
 荻野先生の事件は、
 医療関係者や
 大学病院の医師・医学生にも、 
 是非、傍聴していただきたい訴訟です。

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