医療問題
第16回日本熱傷学会北海道地方会
今日は北海道大学学術交流会館で、
第16回日本熱傷学会北海道地方会がありました。
北大正門を入った左手にある建物です。
昨年は大雪で来れなかった、
まみ子師長さんも
学会に参加してくださいました。
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今日は10題の演題がありました。
今日の学会で印象に残ったのが…
市立札幌病院救命救急センターの
牧瀬博先生の発表でした。
小児重症熱傷患者の東京への搬送経験
という演題でした。
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昨年夏に、
札幌で小学生の子どもさんが、
遊んでいる時に、
何かが爆発して、
全身に大やけどをしました。
体の約70%が焼けてしまった…
きわめて重症なやけどです。
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設備が整っている、
救命救急センターでも…
命が助かるかどうか…?
というほど重症のやけどです。
重症のやけどの患者さんは、
たくさんの人手や設備が要ります。
救命救急センタでも…
一度に入院できる…
重症熱傷の患者さんは限界があります。
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子どもさんが搬送された時に、
市立札幌病院には…
3人の重症熱傷患者さんが入院していました。
それ以上の患者さんが入院しても、
人的にも…
設備面でも…
十分な治療ができません。
札幌市内には、
他の救命救急センターがありますが、
そちらも満床でした。
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小学生の子どもさんを助けるには…
設備の整った…
熱傷治療の専門施設へ搬送する必要がありました。
これだけのやけどを助けられる施設は限られています。
牧瀬先生は、
悩んだ末に…
東京の杏林大学救命救急センターへ依頼しました。
牧瀬先生のネットワークです。
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やけどの子どもさんは、
医師2人が付き添って、
市立札幌病院→救急車で
丘珠空港→自衛隊機で
立川基地→救急車で
杏林大学救命救急センターへ
搬送されました。
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何度かの大手術で、
子どもさんの命は助かりました。
札幌→東京への搬送は、
患者さんにも…
医療者側にも…
とても大変なことです。
狭い航空機の中では、
十分な処置ができません。
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牧瀬先生のご発表を聴いて…
子どもさんの命が助かって…
ほんとうによかったと思いました。
ご両親や
ご家族も
何ヵ月も東京へ行かなければならず、
とても大変なことだったと思いました。
東京まで行かなくても…
重症のやけどが治せるとよいのにと思います。