医学講座
まつげ育毛剤
昨日の院長日記でご紹介した、
まつげ育毛剤がLatisseⓇです。
ラティースとかラティッセと
カタカナ表記で呼ばれるようです。
2008年12月に米国FDAより、
「まつげを長く濃くする薬」として初めて認可され、
2009年1月から米国で販売が開始されました。
有名な女優さんが使っているとの宣伝で、
かなり売れているようです。
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この薬の成分がビマトプロストという
Prostaglandin F2α
(プロスタグランディン・エフツーアルファ)誘導体です。
日本でも厚生労働省から
緑内障治療薬としての認可を受けています。
日本では、ルミガンという商品名で、
千寿製薬㈱が製造して、
武田薬品から販売されています。
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この薬を日本国内で緑内障治療に使用したところ、
323 例中149 例(46.13%)に、
睫毛の異常(睫毛が長く、太く、濃くなる)等の
副作用が認められました。
この副作用を利用して、
まつげ育毛剤として米国FDAで承認されています。
日本国内では、まつげ育毛剤としての承認は
得られていません。
ラティースの有効率は米国で70%以上と報告されています。
点眼として使った時との違いの可能性もあります。
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この薬を使用することにより、
睫毛が長く、太く、濃くなることが期待できますが、
使用を中止すると効果がなくなります。
妊娠中の投与に関する安全性は確立していないので、
妊娠中は使用できません。
妊娠によって使用を中止すると効果もなくなります。
■ ■
心配な副作用です。
点眼を続けると、
虹彩や眼瞼への
色素沈着(メラニンの増加)による色調変化が出ることがあります。
これらは投与の継続により徐々に進行し、
投与中止により停止します。
眼瞼色調変化及び眼周囲の多毛化については、
投与中止後徐々に消失、
あるいは軽減する可能性があるが、
虹彩色調変化については
投与中止後も消失しないことが報告されています。
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日本人はもともと目が黒い人が多く、
ひとみが黒くなっても気付かないか?
育毛剤として睫毛の付け根に使う限りは、
問題になることは少ないようです。
それよりも、
つけ過ぎて、下まぶたにつくと、
薬がついた部分の
毛が濃くなることが報告されています。
上まぶたの
まつ毛の付根以外には
つけないように注意して使用してください。
もし、ついた場合には、すぐにふき取るか、洗顔してください。
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効果がはっきり見えるまで
少なくとも 2ヶ月間塗布を続けることが推奨されています。
効果を持続させるには、
継続して使う必要があります。
使用を中止すると、
数週間から数ヵ月かけて、
まつげの平的的な毛周期に伴ない、
徐々に元のまつげに戻っていきます。
元のまつげ以上に短くなることは、
今のところ報告されていません。
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妊娠したら使えないし…
止めたら元に戻るし…
でも、
エクステみたいに黒い長い太いまつげは、
女性の憧れのようです。
先日の日本美容外科学会で、
実際に使っていらっしゃる女性の先生が、
発表していらっしゃいました。
正しく使えば安全で効果のあるお薬です。